オンライン商談で活路を 三陸けせん希望ストリート協が消費者、バイヤーにPR

▲ 大船渡商工会議所で撮影が行われたオンライン販売会

 三陸けせん希望ストリート連絡協議会(会長・米谷春夫大船渡商工会議所会頭)は本年度、ウェブを活用した商談に力を入れている。21日夜には、ビデオ会話ツール「Zoom(ズーム)」を使った一般消費者向けの「BtoCオンライン販売会」を開催し、気仙を拠点とする7事業所・グループが商品の魅力をアピール。来月には、バイヤーを対象とした同様の商談会も計画している。
 同協議会は、商工会議所などが主催する商談会や見本市、物産展などに出展参加し、地域資源を活用した「けせんブランド」の販路拡大と合わせて東日本大震災後の販路を復旧し、被災企業のなりわい再生と経済振興につなげようと平成25年12月に設置。気仙3市町の民間企業など120事業所余りで構成している。
 これまで「三陸けせんマチナカ商談会」を市内で開催してきたが、本年度は新型コロナウイルス感染防止の観点などから実施を見送り、オンライン対応に注力。昨年10月以降、月1回のペースで研修会を重ね、初の販売会に臨んだ。
 販売会は一般社団法人東の食の会(東京都)の協力を得て、復興庁による被災地域企業新事業ハンズオン支援事業の一環で実施。首都圏在住で、同会とつながりがある20~30代の消費者約10人が参加した。ズーム中継を結んだ大船渡商工会議所から、海鮮品や農産加工品、調味料、菓子などを扱う事業所・グループが15分間ずつ発表を行った。
 このうち、大船渡市の調法本舗一歩道(松田和則代表)は「子ども醤油」をアピール。松田代表(69)が「子どもに『しょっぱい』ではなく『おいしい』と感じてもらうものを」「簡単に使える利便性を」などと語りかけながら、商品の特徴を伝えた。
 パン食などの味付けにも生かせる点に加え、スプレー容器にしたことで食材にかけやすく、塩分管理もしやすい利点を強調。「ネットを通じて拡散させたい」とし、アイデアを求めた。
 消費者にはすでに商品が手元に届いており、手にした感想や改善につながるアイデアなどをもとに意見交換。「お母さん向けにアピールしてはどうか」「塩分摂取量が気になる大人にも需要があるのでは」などの発言があった。
 また、収録に臨んだ他の事業所関係者からは「例えば『おいしい』を、別の言葉で分かりやすく伝えるにはどうするかとか、今までにはない勉強の機会も得た。オンライン上の会話として成り立つ知識、伝え方の大切さが分かった」といった声も寄せられた。
 紹介した商品は今月末まで、参加者が購入できる特設サイトで紹介。同協議会では、各事業者がオンライン活用の経験を得るだけでなく、販路開拓に向けた課題の洗い出しや自社商品の工夫・改善、消費者が関心を抱くストーリーづくりなどに期待を寄せる。
 今月26日(火)と27日(水)には、事業者ごとの支援会を計画。2月9日(火)には、再び実践の一環として、バイヤー向けのオンライン商談会が行われる。