「町政課題に真摯に取り組む」 神田町長が再選出馬表明 町議会3月定例会開会

▲ 再選出馬への意思を明らかにした神田町長

 住田町議会3月定例会は2日、開会した。会期を12日(金)までの11日間と決め、神田謙一町長の施政方針演述や4議員による一般質問が行われた。神田町長は演述の中で、今後のまちづくりに関して「多くの町政課題に真摯に取り組み、先も見据えた町民福祉の向上に向け、次期町長選に起意することとする」と語り、再選出馬への意思を明らかにした。

 

施政方針演述で決意示す


 施政方針演述で神田町長は、町民生活に直結する重要な事業を積極的かつ効果的に進めるとともに、持続可能なまちづくりに向けて「着眼大局着手小局」を胸に「支え合う共生の町」をつくり上げていくことに全力を尽くすと強調。
 新型コロナウイルス対策、健康まちづくりや食産業の推進、住まい環境の改善にも取り組み、来年度で計画期間2年目を迎える町総合計画においては「人口対策」で妊娠・子育てへの支援、教育環境の整備、社会福祉の充実、「生活環境対策」では公共交通システムの構築、生活関連施設の整備など、「所得対策」では農林業、商工業、観光産業の振興を図っていくとした。
 結びに、「『住み続けたい、住んでみたい』と思われるような魅力ある笑顔で暮らせるまちづくりは、行政だけの力で完遂することはできず、議員各位はじめ住民、本町に関わるすべての方々の協力が不可欠。みんなが力を合わせれば何事も成しえるものと考えており、私はその先頭に立って誠心誠意努力していく。多くの町政課題に真摯に取り組み、先を見据えた町民福祉向上に向け、次期町長選に起意する」と再選出馬の意思を表明した。
 神田町長は東海新報社の取材に対して「さまざまな声をいただく中で、後援会役員と協議して出馬を決めた」と語り、政党推薦は要請せず無所属で臨むとした。
 この日は、神田町長の施政方針演述に続いて菊池宏教育長が教育行政演述。文部科学省の研究開発学校指定は令和3年度が最終年度となるが、その後3年間の指定延長に向けて取り組んでいく方針も示した。
 さらに、児童・生徒の減少が続く中、保護者への町立学校再編に関するアンケート調査をもとに教育環境整備について検討を進めていくと述べた。
 一般質問には荻原勝(無所属)、佐々木信一(同)、佐々木春一(日本共産党)、林﨑幸正(無所属)の4議員が登壇。
 佐々木(信)議員は新型コロナウイルスへの対応について、「本町におけるワクチンの接種体制と接種場所は」と当局の対応をただした。
 神田町長は、住田地域診療センターを軸とした集団接種を予定しており、今月下旬から医療従事者の接種が始まり、その後は4月以降に▽65歳以上の高齢者▽65歳未満で基礎疾患のある町民▽高齢者施設従事者▽16歳以上64歳までの町民――が順次接種していく予定だとし「接種時期はワクチンの配分状況に左右され、医師、看護師などスタッフ体制の確保が流動的で、未確定要素が多いことから明確な時期をお示しできないが、ワクチンが届き次第、速やかになるべく短期間で終了できるよう努める」と説明。
 佐々木(春)議員も新型ウイルス対応を取り上げ、「病院や高齢者施設、保育園、学童クラブ等での社会的検査に取り組むべきではないか」と尋ねた。
 町長は「医療や介護、病院関係者など、社会機能の維持に必要な分野で働く方々が定期的に検査するという新しい仕組みづくりの重要性は理解しているが、検査体制強化や費用負担など、医療資源が少ない本町において社会的検査をするにはたくさんの課題がある」としたうえで、「医療的資源、医療施策などが限られている中で、接種体制確保や接種実施計画に大変苦慮していることから、まずはワクチン接種の体制づくりを優先的に取り組んでいきたい」との考えを示した。
 トップ登壇の荻原議員は人口動態と移住者対策について、「地域おこし協力隊にはその地域への定住・定着を図る側面もある。27年度からの本町の地域おこし協力隊をどのように総括し、今後取り組んでいくのか」と質問。
 神田町長は、本年度までに延べ13人の隊員を委嘱しており、任期終了者のうち5人が町内に定住していると説明。「ほとんどの方が協力隊の活動に関連した取り組みを継続している。来年度は医療分野での課題である看護師確保にも取り組む予定で、課題解決、地域活性化につながるものとして定住人口増加と雇用拡大につながることを期待し今後も必要な取り組みを行っていく」とした。
 林﨑議員は滝観洞の再開発について「整備計画をどのように考えているか」と尋ねた。
 神田町長は、昨年11月中旬に整備計画の素案がまとまったとし、「短期計画案となっており、その概要は滝流しそばと受付、プレハブの一体的建て替えを行い、1階に売店、事務室、受付、トイレを、2階に調理室、食堂の機能を備えた施設を整備しようとするもの。老朽化している観光センターの整備については今後、中長期的な整備計画案が具体化する中で検討されていく」と見通しを示した。
 今定例会の日程次の通り。
 ▽3日=本会議(一般質問)▽4日=休会▽5日=本会議(議案審議)▽6~7日=休会▽8~10日=予算審査特別委員会▽11日=休会▽12日=本会議(議案審議)