同窓生の思い出DVDに 綾里中・閉校事業実行委 歴代生徒の動画を編集
令和3年3月6日付 7面
本年度で閉校となる大船渡市三陸町の綾里中の閉校事業実行委員会(熊谷優志委員長)は、同校に保管されていた昭和47年以降の歴代生徒の学校行事や、修学旅行などの活動動画を117枚のDVDにまとめた。閉校後の来年度、綾里地区公民館で無料貸し出しを始める予定で、同級会や年祝いなどで利用してもらい、同窓生の旧交を温め、思い出を永久保存する。
地区公民館で貸し出しへ
昭和60年の卒業生で、在学時に教職員が動画を撮っていたのを覚えていた地元の歯科医師の熊谷委員長(50)が校長室に撮影データが保管されていることを知り、8㍉フィルムやVHSなどの映像データ194本分を業者の力も借りてDVDに起こした。昨年秋から熊谷委員長自らパソコンで編集を加え、年や行事ごとに整理し、117枚にまとめた。
映像は全てカラーで、最も古いデータは昭和47年の修学旅行が残っていた。
綾里地区の全家庭に広報で周知し、販売用の申し込みを募った。地域住民、同窓生などから計641枚の注文が寄せられ、順次届けている。約60枚まとめて購入した人もいる。
熊谷委員長は「自分たちの年代にとって動画の記録は貴重で、いろいろなシーンが懐かしかった。年祝い、還暦祝い、同級会などの場で見て楽しんでほしい」と期待する。
ともに卒業生の村上尚之さん(73)、サキ子さん(71)夫妻は長男、長女が通っていた平成2〜8年度までの運動会など、7枚のDVDを2月下旬に受け取り、何度か見返した。徒競走などの競技や、毎年受け継がれてきた剣舞披露の様子が収められていた。
尚之さんも長男、長女の在籍当時、ビデオカメラを持って学校行事を撮影したが、東日本大震災で自宅が被災し、写真や動画は失ってしまっていた。
村上さん夫妻は「運動会の映像には、雨の影響で水たまりができた校庭で、スポンジを持って吸水作業を行う地域の人たちも映っていた。子どもたちのために一生懸命な地域の皆さんに支えられて子どもたちが成長したことを感じた。孫にも見せることができ、ありがたい」と感激した。
同校は昭和22年4月に綾里村立綾里中として創立。三陸村立綾里中、三陸町立綾里中を経て、平成13年11月に大船渡市と三陸町の合併で市立綾里中と改称された。来年度、「東朋中」として赤崎中と新設統合し、校舎は赤崎中を使用するため、綾里中は今月末で74年の校史に幕を閉じる。