「花粉症です。ご安心を」 鬼椿市民雑貨店が気仙杉のマスクチャーム商品化 〝地産地消型〟で明示

▲ 商店街関係者の声をきっかけに商品化されたマスクチャーム

 新型コロナウイルスの感染防止でマスクが欠かせない日々が続く中、今年もスギ花粉が飛散する時期がやってきた。大船渡市大船渡町のキャッセン大船渡内に店舗を構える鬼椿市民雑貨店(小泉洋代表)では、気仙杉を使った自家製の「マスクチャーム」の販売を開始。新型ウイルスへの警戒感が強まる中、花粉症であることを周囲に示すメッセージを添えた〝地産地消型〟のアイデア商品として注目を集めている。

 

コロナ下で注目

 

 小泉代表は東日本大震災前、大船渡町内で飲食店を経営。被災後、模索を続ける中、平成25年に大船渡町の夢商店街内で雑貨店の仮設店舗をオープンした。新分野進出事業としてグループ補助を受け、平成28年末に赤崎町に木工品を制作する工房を、翌年4月にはキャッセン大船渡内に店舗をそれぞれ構えた。
 自らの工房を生かし、顧客の要望やアイデアを生かした商品対応に柔軟に対応できるのが強み。さまざまなメッセージを入れた木札などの記念品も人気を集める。
 マスクチャームは、キャッセン内に店舗を構える飲食店関係者から「花粉症であらぬ疑いをかけられるのを避けたい」といった声を聞いたのがきっかけ。新型コロナウイルスの感染防止でマスク着用が定着しているが、それでも花粉症の症状でくしゃみが続く時などは周囲の目が気になるといい、小泉代表は商品化に乗り出した。
 大きさは2~4㌢ほどで、地元のスギ材を活用。「安心してください花粉症です」といったメッセージを刻んだ。裏板とマスクを挟むマグネット式となっており、穴を開けずに使用できる。
 キャッセン大船渡が会員制交流サイト(SNS)で紹介したところ、問い合わせが増えた。新型ウイルス対策だけでなく、地域資源活用の面からも関心を集めている。
 このほかにも、医療従事者に対する感謝を示すメッセージを入れた商品も。裏板には「忘れない3・11」と刻まれ、東日本大震災の伝承・復興への思いも込めている。売り上げの一部は、医療従事者・災害被災の支援に充てる。
 小泉代表(50)は「花粉症に苦しむ方は多いが、気仙杉は、木材としては重要な地域資源。くしゃみなどの時に『誤解しないでほしい』とか、奮闘されている方々への感謝など思いを伝えるアイテムとして活用してもらえれば」と話している。
 1個450円(税別)で、現在は店頭で販売。営業時間は午前10時~午後6時で、月曜日定休。問い合わせは同店(℡26・3560)へ。