高齢者の買い物に協力を 付き添いボランティア募る 官民連携で支援事業展開へ

▲ リーフレットを手にボランティア活動への協力を呼びかける佐藤さん

 陸前高田市は、認知症の人など買い物に不安を抱える高齢者の外出する機会を創出しようと、買い物に付き添い見守る支援事業の開始を目指している。市社会福祉協議会、アバッセたかたとの官民連携で7月中旬から週に1度の活動を計画。現在、付き添い役の無償ボランティアを募集しており、「誰もが住みよい『やさしいまち』をみんなでつくろう」と呼びかける。

 

7月の利用開始目指す

 

 買い物ボランティアは、市が開講している認知症サポーター養成講座(認知症を学ぶ講座)や同講座修了者が受けるステップアップ講座、その他のボランティア講座を受講済みの人を対象に募る。10人程度の確保を目指す。
 ボランティアは毎週木曜日午後1〜3時、アバッセ専門店街パブリックスペースで待機し、現地で利用申し込みを受け付ける。利用者はアバッセ内でボランティアに付き添ってもらい、自由に買い物を楽しめる。スーパー「マイヤ高田店」のレジ1台を「優先レジ」に指定し、焦らずに会計できるようにする。
 ボランティアの募集は、6月4日(金)まで。人員を固めたあと、同月中に育成研修を2回開催し、支援の際の留意点などを共有するほか、模擬演習を行う。
 事業は、誰もが住み慣れた地域で過ごせるまちを築くための意識を醸成しようとのもので、市が昨年から社協、民間事業者とともに実施に向けて検討してきた。第三者が付き添うことで、高齢者の介護者の負担軽減も目的としている。
 本年度はアバッセをモデル店とし、来年度以降、市内他店舗への拡大を図る構想。市が掲げる性別や年齢、障害の有無などの垣根を越えて住みよいまちを目指す「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」にもつなげていく。
 市地域包括支援センター認知症地域支援推進員の佐藤咲恵さん(62)は「官民一体で取り組み、認知症に限らず弱さを持った人への理解が進む一助となれば。ボランティアは買い物代行ではなく、あくまで見守るのが役割。協力したいという人の応募をお待ちしている」と呼びかける。
 問い合わせ、申し込みは同センター(℡54・2111内線219)へ。