換気の目安に役立てて 飲食・宿泊事業者対象にCO2モニター無料支給 きょうから申請受付

▲ CO2濃度を計測するCO2モニターの支給を始める陸前高田市

 陸前高田市は14日から、新型コロナウイルス感染拡大防止に取り組む市内事業者への支援策として、換気の目安となる二酸化炭素濃度を計測する「CO2モニター」を無料で支給する。対象は飲食・宿泊事業者で、申請があれば市役所で配る。コロナ禍の影響が長期化している中、安心・安全な会食の機会提供の一助としたい考えだ。

 CO2モニターは、人が吐く息に含まれるCO2の濃度を表示し、一定の高さになると警告音が鳴る仕組み。設置場所の「密」の度合いを「見える化」し、感染症対策で有効とされる換気を促す。
 市は、事業者、利用客双方の安全・安心にもつなげようと、200台を用意した。まずは新型ウイルスの影響を特に受けている飲食・宿泊事業者に絞って支給する。対象は90事業者程度を見込んでいる。
 申請は市役所4階の商政課窓口で受け付け、市担当者の確認が済めば支給する。支給個数の上限を設けていないが、市が店の広さや要望を聞き取ったうえで決める。宿泊施設は客室への設置を想定しておらず、不特定多数の人が集まる会食スペースなどの設置分を配る。
 市は昨年12月〜今年1月に市内約790事業者を対象に、新型ウイルスに関する影響調査を実施。342事業者が回答し、令和2年の事業収入が前年より10%以上減となったのは全体の4割(144事業者)を超え、うち2割(72事業者)は30%以上減となった。
 業種別に見ると、特に影響を受けているのは飲食、宿泊事業者など。飲食は8割の事業者が30%以上減収したことが分かった。宿泊は回答した全11事業者が30%以上減収し、うち5割以上減は7事業者に上るなどコロナ禍が直撃している。
 商政課の菅野洋課長補佐は「全国的に感染拡大する中、市内でも飲食、宿泊事業者をはじめ影響を受けている。モニターがあれば『安全・安心なお店』という発信にもなる。今後も事業継続の後押しとなるような支援を検討していく」と先を見据える。
 申請は31日(月)まで受け付ける。対応は平日午前9時〜午後5時。利用後、故障した場合の修理費は、各事業者の負担とする。初期不良が確認された場合は交換する。
 問い合わせは、同課商工係(℡54・2111内線421、422)へ。