震災学習も交え〝復活〟 県立野外活動センター ドラマチック海遊塾(別写真あり)

▲ 高田松原津波復興祈念公園内で震災学習も行われた「ドラマチック海遊塾」

 県教育委員会と陸前高田市広田町の県立野外活動センター・ひろたハマラインパーク(小岩孝朗所長)による「ドラマチック海遊塾」は、同センターを主会場に29日から3泊4日の日程で行われている。東日本大震災前に気仙町にあった旧高田松原野外活動センターでも行っていた事業で、震災学習などの新たな活動プログラムも交えた形で〝復活〟。参加した子どもたちは、さまざまな体験を通じて学校や学年をこえた交流を深めている。
 この事業は、県内の小学5、6年生と中学生を対象に、海をテーマとしたさまざまな活動を通して、自然への体験的な理解を深め、よりよいコミュニケーション能力の育成を図ろうと企画。震災前と同様、夏休み期間に合わせて開かれた。
 今月11日に開所式を迎えたばかりの野外活動センターでは初開催となり、気仙や県内の近隣自治体から小学生23人が参加。初日は、同センターで火おこし体験や野外炊事などを展開した。
 2日目の30日は、同センターの新たな活動プログラムである震災学習が行われ、参加者らは高田松原津波復興祈念公園や東日本大震災津波伝承館を見学。
 このうち、祈念公園内は同センターの伊藤勝久研修班長から案内を受けながら、震災遺構の奇跡の一本松やタピック45周辺などを見て回った。
 子どもたちは目にする震災遺構の姿などから、津波の威力や押し寄せた高さなどを理解。伊藤研修班長は「こうして公園内を見てきて、震災は大きな災害だったと分かると思う。家族はあなたたちを守り、復興するまで頑張って生活してきた。そういったことを考え、もしまた災害があったら、命が守れるように勉強をしてほしい」と呼びかけた。
 小友小6年の戸羽凪沙さんは「海遊塾には、楽しそうで友達をつくりたいと思って参加した。祈念公園は何度か来たことがあるけど、じっくり見たのは初めてでとても勉強になった」と充実した表情を見せた。
 盛小6年の伊藤未知さんは「震災のことを学んだり、いろんな友達もできて、友情を深めることができている。一本松などを見て、震災当時の被害が大きかったことも分かった」と話していた。
 この日、子どもたちは米崎町の脇ノ沢漁港で漁業体験も実施。3日目以降は、海でのいかだ体験や創作活動、キャンプファイア、みちのく潮風トレイルの散策などを予定している。