権現舞、ささらなど勇壮に 東朋中で統合後初の文化祭(別写真あり)

▲ 統合後初めて、両中の伝統芸能などが披露された文化祭

 大船渡市の東朋中学校(村上亮校長、生徒111人)は23日、統合後初の文化祭を開いた。4月の開校式から約半年を過ごした生徒たちが、閉校した赤崎、綾里両中の伝統と、東朋中としての新たな文化を保護者らに披露した。
 同校の文化祭テーマは「〜CAN DO(感動)を届けよう!〜」。同日は、各学年によるステージ発表や合唱に加え、校内では、生徒たちが授業で制作した作品展示が行われた。
 ステージ発表では、1年生が約半年の中学校生活を振り返りながら、寸劇と合唱を披露。2年生は、防災学習の一環で実施した消防体験の成果をまとめる発表を行った。
 中でも3年生は、赤崎町に伝わる権現舞と、綾里中で代々受け継がれてきた「野形剣舞」、白浜地域の権現様の「ささら」を、統合後初披露。赤崎中出身の生徒が権現舞、綾里中出身の男子生徒が剣舞、女子生徒がささらをそれぞれ発表し、稽古の成果を発揮しながら勇壮にステージ上を舞った。
 このあと、赤崎中出身の生徒が、平成28年に人気グループ「EXILE」のメンバーから指導を受け、以来、踊り継がれてきた「Rising Sun」のダンスを披露。生徒たちは、両中の先輩たちが継承してきた伝統を文化祭の場で復活させ、東朋中として後世に伝えていく決意も示した。
 また、会場となった同校体育館の天井には、生徒会が企画した「アンブレラスカイ・プロジェクト」として、生徒たちが文化祭にかける思いなどを記した色とりどりの傘がつるされ、注目を集めた。
 生徒会長の佐藤千秋君(赤崎中出身)と佐藤凜さん(綾里中出身、いずれも3年)は「各学年が切磋琢磨(せっさたくま)して、文化祭をいいものにできた。権現舞やライジングサンのダンスで、赤崎中の歴史も発信できてよかった」「一人一人が全力で取り組み、協力して作り上げることができた。綾里の郷土芸能も発表できたので、今後は東朋中として引き継いでいければ」と話していた。