舞台で日々の成果披露 小学校で学習発表会(別写真あり)

▲ 高田松原誕生の経緯などを劇で発信した児童ら

高田松原誕生の歴史を劇で
米 崎

 

 陸前高田市の米崎小学校(大森亘校長、児童153人)の学習発表会は23日に行われ、6年生39人が同市の名勝・高田松原を題材にした創作劇を披露した。江戸時代の松原誕生から東日本大震災後の現在に至るまでの歴史と人の物語を伝え、「マツがこれからも大きく育つよう、自分たちも力になりたい」と成長も発信した。
 同校の学習発表会は、昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となったため2年ぶり。感染防止対策を徹底し、体育館で各学年の劇が披露された。
 このうち6年生は、かつて白砂青松の景勝地と呼ばれ、東日本大震災の大津波で約7万本ものマツを失った高田松原がテーマの劇を発表。4年生時に参加した植樹や同市のNPO法人高田松原を守る会から聞いた話などをもとに、内容を練った。
 江戸時代の場面で児童らは、マツの植林にあたった高田村や今泉村の村人になりきり、潮風による田畑の塩害を防ぐため、荒れた地に人々の努力と信念でマツが植えられたことを熱演で説明。震災後は、守る会や県、多くのボランティアらの手によりマツの植栽、保全が進められていることも伝えた。
 金野優梨さんは「みんなでまとまり、後悔のない発表ができた。高田松原について調べたこと、聞いたことをこれからも忘れない」と誓っていた。

 

「石の校門物語」演じる
越喜来

 

「石の校門物語」を上演する越喜来小5年生

 大船渡市立越喜来小学校(遠藤芳幸校長、児童74人)の学習発表会は同日、同校体育館で開かれた。このうち、5年生12人は同校の旧校門にまつわるオリジナル劇「越喜来のほんとの話っこ 石の校門物語」を上演し、時代を超えた地域住民らの思いを表現した。
 この日は、新型ウイルスの感染防止策を図りながら実施。児童らは、「努力!協力!思いよとどけ!笑顔と感動の学習発表会!」をテーマに、学年ごとに劇や合唱を通じて日々の学習成果を来場者に披露した。
 5年生の劇は、同市のNPO法人おはなしころりんが昨年、紙芝居にした史実をもとに創作。昭和6年、新築された越喜来小に石造りの校門が設置された経緯と、東日本大震災で被災した校門を現在の新校舎に移設するまでの地域住民らの姿を描いた。
 児童らは関係者から詳しい話も聞き、時代を超えて地域の子どもたちを思う住民らの気持ちを丁寧に表現。村人などを演じた川畑璃来さんは「石の校門に、地域のいろんな人が協力したことや、その思いを伝えようと演じた。成功してよかった」と話していた。

 

元気いっぱいに舞台発表
末 崎

 

 大船渡市立末崎小学校(小石敦子校長、児童146人)の学習発表会は同日、同校体育館で開かれた。

末崎小1年生は音読劇で元気な演技を披露

各学年が趣向を凝らした発表を繰り広げ、来場した保護者に学校生活の様子を伝えた。

 同校の児童会スローガンは「みんなで協力しつくりあげよう!最高の学習発表会」。1年生は「くじらぐも」、2年生は「お手紙」と題した音読劇を、3・4年生は合同で『にじ』など2曲を合唱。5年生は「水戸黄門」の英語劇に挑戦し、6年生は「やさしい鬼吉」の劇をそれぞれ披露した。
 このうち、トップバッターの1年生25人は、国語の授業で学習した「くじらぐも」を音読しながら、縄跳びや歌、ダンスを交えて元気いっぱいに発表。大きな声でせりふを言ったり、身ぶり手ぶりでそれぞれの役を演じ、見守る保護者からも笑顔があふれていた。

 

 

劇と合唱で心一つ

立 根

 

合唱で心を一つにした立根小4年生

 大船渡市の立根小学校(志田知美校長、児童191人)でも同日、学習発表会を開いた。児童たちが、練習を重ねてきた劇と合唱で、保護者に努力の証を示した。
 「観ている人を感動させ、思い出に残る楽しい学習発表会にしよう」をスローガンに掲げ、各学年が練習に取り組んできた。1、2、5、6年生は劇、3年生は音楽を交えた劇を発表。4年生37人は、気持ちと声を一つにした合唱で、保護者の心に歌声を届けた。
 この日、4年生は『大切なもの』と『夢のかなう場所へ』の2曲を披露。このうち、『大切なもの』では、自分では気づけなかった優しさや強い気持ちを教えてくれた友人への感謝を歌った詞を、柔らかな声で歌い上げた。
 発表後には、メッセージの呼びかけも行い、これからも全員で協力して学校生活を送る決意を伝えていた。