県外社会人からヒント得る ラーニングワーケーション SETが広田町でモニターツアー

▲ ツアー参加者が研修で考えたことを村上事務局長(手前)に発表

 陸前高田市広田町のNPO法人SET(三井俊介理事長)は今月1日から4日間、来年度以降の運用を計画する「ラーニングワーケーションプログラム」のモニターツアーを同町内で実施した。県外の社会人5人が研修ツアーに参加し、〝広田のファン〟を増やすアイデアやプログラム改善のヒントなどをSETスタッフらと共有した。


 ラーニングワーケーションは、学習(ラーニング)と休暇(バケーション)の要素を兼ね備えた働き方(ワーク)のこと。旅先や地方などで普段の仕事をしつつ、仕事以外の時間に出会う人や場所から新たな学びや気づきを得る。
 人の交流を生かしたまちづくりを目指すSETでは、ラーニングワーケーションを希望する人たちに提供する同町での研修プログラムを考案。関係人口創出にかかる事業を展開する県や市と連携し、今回のモニターツアーを企画した。
 ツアーには、関東、中部の企業に勤務する人やフリーランスなどの5人が参加。11月にオンラインでの事前研修を行ったうえ、現地研修に臨んだ。
 期間中は町内を回り、漁業や地域交流拠点の運営などに関わる住民らと交流。同町の魅力や課題を洗い出し、それぞれが自らの「アクション(行動)」を考えた。
 3日目は、参加者らが2日間の研修をふまえ、「広田のファンをつくる」をテーマに同町のPR方法を各自で模索。長洞元気村では、同村の村上誠二事務局長(65)に向け、一人一人がプレゼンテーション形式で考えを発表した。
 このうち、東京都世田谷区で教育関係の会社に勤める石井勝猛さん(24)は、同町で感じた人と人とのつながりが価値あるものであることを強調。「広田の人たちのそばにいると笑顔になれる。孤独から悲しい事件を起こしてしまう人たちも、普段からこうした人たちとの出会いがあれば、変わっていたのではないか」など、社会的な問題とも絡めながら、同町での研修の可能性について言及した。
 参加者らは今後、SETメンバーらとオンラインで事後研修を行い、今回のプログラムの収穫や改善点などについて意見を共有する。