潮風トレイル魅力再発見へ 4月から大船渡などで「ハイキングパスポート」販売

▲ ハイキングパスポートを手にする碁石海岸インフォメーションセンターのスタッフ

 NPO法人みちのくトレイルクラブ(佐々木豊志代表理事、宮城県名取市)は4月1日(金)から、大船渡市末崎町の碁石海岸インフォメーションセンターなど東北沿岸各地で、「ハイキングパスポート」(税込み990円)の販売を開始する。自然歩道「みちのく潮風トレイル」の思い出を記録するスタンプ帳で、「トレイルや地域の魅力を再発見するきっかけに」と利用を呼びかける。


 みちのく潮風トレイルは、青森県八戸市から福島県相馬市までの4県28市町村に設定されている全長約1000㌔の長距離自然歩道。気仙では大船渡区間の延長約77㌔と、陸前高田区間の同約40㌔が設定されている。
 同パスポートは、トレイルを歩くハイカーの増加や、コースのある地域の住民とハイカーの交流を円滑にすることなどを目的に作成。縦16・5㌢、横9・5㌢の冊子で全80㌻。市町村ごとのページにスタンプを押して、訪れた場所を記録することができる。
 同クラブでは同パスポートの販売窓口となる全6カ所のサテライト施設用のスタンプと、各市町村別のスタンプを作成。
 また、トレイルの取り組みを応援する関連施設や有志が、独自に作ったスタンプも用意。「使い込まれた住所印や店主の認印、新規に作成したスタンプなどを集めるのもよいのでは」と提案する。
 各市町村スタンプを含む三つのスタンプを集めた人は、市町村ごとの特製ピンバッジ(税込み440円)を購入することができ、全28種類をコレクションするという楽しみ方も。
 気仙では碁石海岸インフォメーションセンターがサテライト施設となり、市町村別スタンプは大船渡市のキャッセン大船渡と、陸前高田市の東日本大震災津波伝承館に置く。
 販売開始を前に、同クラブではパスポートを持って試験的に各スタンプポイントを巡るモニターを募集。実施期間は2月から今月末までで、参加者からは「訪問先の人と話をするきっかけになった」「以前歩いたルートに再挑戦する機会になった」と好評を得ているという。
 トレイルの気仙ルートを設定した環境省大船渡自然保護官事務所によると、地域の認知度や活用の機運は高まってきている一方、歩道の環境整備や、住民レベルでのルートの周知などの面で課題も挙がっているという。
 同センター職員の村上航さん(27)は「ハイカーだけではなく、地元の人たちにもハイキングパスポートを使ってもらい、トレイルルートを歩くきっかけにしてほしい。三陸の魅力ある〝みんなの道〟を地域全体で良くしていけるような好循環が生まれれば」と期待する。
 問い合わせは同クラブ(℡022・398・6181)または碁石インフォセンター(℡29・2359)へ。
 気仙両市のスタンプポイント次の通り(今月14日現在)。
 ▽大船渡市=キャッセン大船渡、碁石海岸インフォメーションセンター、御食事処秀っこねぇ、潮目、㈱三陸アクティブ、大船渡温泉
 ▽陸前高田市=東日本大震災津波伝承館、黒崎仙峡温泉、気仙大工左官伝承館、民宿沼田屋、月山神社、民宿むさし、ホテル三陽、市観光物産協会