解散決定も誘致話題に 椿サミット実行委総会 11年前に続き開催至らず

▲ 今回も開催がかなわず、約2年間にわたる実行委が解散

 全国椿サミット大船渡大会第7回実行委員会(会長・戸田公明大船渡市長、16人)は16日、同市役所で開かれ、同実行委員会の解散を決めた。3月19日と20日に市内で開催を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で中止。東日本大震災直後の11年前に続き開催がかなわず、出席者からは〝再々挑戦〟を望む声も出た。
 委員15人が出席。戸田市長のあいさつに続き、令和3年度事業報告と収支予算、同委員会の解散を審議し、いずれも原案通り承認、決定した。
 事業報告によると、1月に行われた第6回実行委員会で中止を決定。その後、サミットに合わせて開催予定だった3年度理事会・第27回総会は今年2月末付で協議会員に書面での審議を依頼した。結果、原案通りの承認・決定となり、4年度の全国椿サミット開催地は山口県萩市に決定。さらに5年度の開催地は島根県松江市に内定した。
 同じく予定していた日本ツバキ協会の通常総会と支部懇談会、品種登録審査会は中止。椿サミット出席者向けの交流会や現地視察・昼食も見送られた。一方、当初案内役を予定していた「椿の里・大船渡ガイドの会」を対象とする研修会は、4回実施した。
 会場で放映予定だった映像はDVDにまとめ、市公式ユーチューブチャンネルに動画を投稿した。サミットへの出席を申し込んでいた177人には、記念品を送付。県外からの申込者には、市の復興記録誌概要版や、観光パンフレットなどを送った。
 3年度の実行委決算は、収入1731万円に対して支出は512万円となり、差額は市一般会計に返還する。実績・決算報告がまとまったことを受け、規約に基づき解散を決議した。
 会議では、出席者から今後の誘致のあり方を問う声も。事務局側は、時期や周年記念といった節目にこだわらずに市内部などで検討し、その内容や経過については、毎年開催されるつばきまつり実行委などの場で示す方針を示した。
 全国椿サミットは年に1回、同サミット協議会に加入する市町村の持ち回りで開催。ツバキを市花とする大船渡では、平成11年度に第10回会場として初めて開催された。22年度には2度目となる第21回が予定されていたが、開催を8日後に控えた23年3月11日に東日本大震災が発生し、中止を余儀なくされた。
 震災発生から10年が過ぎ、市は復興した姿を発信するとともに、復興支援への感謝も込めて盛り上げていこうと、第32回の開催に向けて令和2年6月に実行委員会を設立。リアスホールを中心とした催事や、市内各地を巡る2日目の視察などを予定していた。元年度は長崎県五島市で、2年度は島根県松江市で予定していたが新型ウイルスの影響で見送りとなり、3年連続の中止となった。