3年ぶりの祭り絵巻満喫 盛町灯ろう七夕まつり 商店街の山車運行復活(別写真あり)

▲ 2年連続の中止を乗り越えて復活した商店街での山車運行(7日)

 大船渡市の盛町灯ろう七夕まつり(同町夏まつり実行委員会主催)は7、8の両日、さかり中央通り商店街を主会場に繰り広げられた。新型コロナウイルスの影響で一昨年、昨年は中止を余儀なくされ、3年ぶりの開催。趣向を凝らした七夕山車9台が行き交う中、県内外から訪れた多くの人々は、伝統の祭り絵巻をじっくりと楽しんでいた。(佐藤 壮)

 

 気仙の夏の風物詩となっている同まつりは、盆前に先祖の霊を迎える星祭りとして古くから開催。明治末期には、現在のように七夕山車が練り歩く光景が見られるようになったと伝わっている。
 東日本大震災で被害を受けた平成23年も、各地のボランティアから支援を受けて実施。明治、立命館両大学の学生らは毎年準備段階から訪れ、地域住民らと交流を深めながら運営を支えてきた。
 コロナ禍でも開催を模索したが、2年連続で断念。今年は感染防止を優先させながら地道に準備を進め、商店街には竹飾りや吹き流しが復活した。
 七夕山車は例年通り、吉野町、上木町、木町、本町、愛宕町、八幡町、桜場、旭町、田茂山の各祭組が制作した9台がそろった。歴史絵巻や漫画のイラストが描かれたほか、世界平和を願い、ウクライナ国旗の配色を意識した工夫も見られた。

新型ウイルスの影響早期収束を願い、もちまきも実施

 山車の華やかさに包まれた駅前通りでは7日夕、田茂山権現様「若獅子会」の舞披露に続き、オープニングセレモニーを開催。水野公正実行委員長は「これまでは開催したくてもできなかった。楽しんでほしい」と呼びかけた。

 新型ウイルスの影響早期収束を願い、もちまきを実施。商店街通りでは山車の引き歩きが始まり、マスク姿の子どもたちが「よーい、よいど」と声を響かせ、夜空の下で幻想的に浮かび上がる山車とともに活気をもたらした。
 運行に先立ち、寺町一座による「ちんどんパレード」が活気を呼び込んだほか、さすけ会の舞踊披露や大船渡東高校太鼓部の演奏も。盛青年商工会による屋台コーナーも好評を博した。