愛される商品づくり誓う 酔仙酒造大船渡蔵 冬季限定「雪っこ」初出荷(動画、別写真あり)

▲ 「雪っこ」の初出荷を見送る社員たち
手際よく進む缶入りの箱詰め作業

 陸前高田市の酔仙酒造㈱(金野連代表取締役社長)は『日本酒の日』の1日、大船渡市猪川町の大船渡蔵から冬季限定商品の「活性原酒雪っこ」を初出荷した。社員らは神事で醸造作業の安全を願い、引き続き地域に愛される商品づくりへの誓いを込めた。
 『日本酒の日』は、日本酒造組合中央会が日本酒(清酒)の普及を推進しようと10月1日に設定。同社では県酒造組合のもと、東日本大震災が発生した平成23年を除き、この日に合わせて雪っこを初出荷している。
 大船渡蔵正面玄関前で執り行われた神事には、社員約20人が出席。金野社長(62)と杜氏の金野泰明さん(46)が玉串を奉てんし、醸造作業の安全とおいしい酒ができるよう祈願。緑色の杉玉を掲揚し、新酒の完成を知らせた。
 金野社長は「新しい1年を迎え、今後もまた新たな気持ちで酒を造っていきたい。コロナ禍の影響があり、社会情勢も不確かな状態だが、今まで通りいい酒を造っていこう」とあいさつした。
 その後、雪っこを積み込んだ車両が出発。社員らは、拍手などをして見送り、愛される商品づくりへの誓いを新たにした。
 雪っこは昭和45年に誕生し、半世紀以上の歴史がある同社の主力商品。今年は、さらなる酒質向上を図るために仕込みの量や作業内容を変更し、雪っこならではのまろやかな口当たりに加え、すっきりとした甘みが味わえるものに仕上がった。
 今年の総出荷量は約12万㍑の見込み。このうち、同日は瓶入りや缶入りなどで1万4000㍑を出荷した。金野社長は「今年は例年にも増して、まろやかさが際立つ雪っこにできた。冬も生のまま飲めるようにと造った商品なので、ロックやそのままで楽しんでもらいたい」と話していた。