2022市長選/きょう投開票 新リーダー誰に 過去最多 5氏の舌戦に幕  結果判明は午後10時前後か

▲ 投票所の準備に追われる市職員=盛町・カメリアホール

 任期満了に伴う大船渡市長選は27日、市内40カ所で一斉に投票が行われ、即日開票される。届け出順に、いずれも無所属で新人のイベント企画業代表・鈴木茂行氏(53)=猪川町、元会社役員・村上守弘氏(63)=同、前市議会議長・渕上清氏(64)=盛町、NPO団体代表・鵜浦昌子氏(67)=大船渡町、元市議・佐藤寧氏(55)=立根町=の5人が立候補。開票は午後8時15分から盛町のリアスホールで行われ、同10時前後に結果が判明する見込みだ。(2面に関連記事)

 

 選挙戦最終日の26日は、早朝から青空に恵まれた。気温が上がり、過ごしやすい一日になった一方、告示の20日に木々を彩っていた紅葉は地面に広がり、季節の移ろいも感じさせた。こうした中、各地で候補者名の連呼と「お願い」「もうひと押しを」といったアナウンスがこだました。
 鈴木氏は、24日に入院し、緊急手術を受けた。26日午前に退院し、午後は選挙カーに乗って支持を呼びかけた。SNSでのアピールも続け、他候補との違いなどを発信した。
 村上氏は、自らの姿が大きく描かれた選挙カーに乗り、北端の三陸町吉浜を皮切りに全域を回った。盛町の事務所前では、辻立ちのスタッフがドライバーらに一礼を重ねた。
 渕上氏は、事務所がある盛町から車を走らせ、オレンジ色の服装でそろえた運動員とともに活動。養殖カキの出荷作業が行われていた漁港にも足を運び、支持を呼びかけた。
 鵜浦氏は、遊説前に大船渡町の事務所内で出発式を済ませ、スタッフと談笑。各地で声を響かせるとともに、車窓から黄色いハンカチをなびかせ、視覚的にもアピールした。
 佐藤氏はまず、定置網船の水揚げなどで活気に包まれた大船渡町の市魚市場で声を上げた。地域を細かく回り、車両から降りて演説を重ね、時折力を込めて政策を強調した。
 一方、投票会場となる公共施設では、市職員が投票箱や記入台などを準備。新型コロナウイルス対策として、一人一人に渡す筆記用具や、消毒液なども用意された。
 12月2日(金)の任期満了に伴う今市長選は、昭和27年の市制施行から数えると通算20回目。三陸町との合併後は6回目、東日本大震災後は3回目となる。
 現職の戸田公明市長(73)=猪川町=は、8月に勇退を表明。新リーダー誕生は、平成22年以来12年ぶりとなる。これまでの市長選は一騎打ちが多く、5人の争いは昭和59年の4人(現1、新3)を上回り、過去最多となった。
 投票は、27日午前7時~午後7時。投票方法は、意中の候補者名の上欄に「○」を付ける記号式となる。
 19日現在の有権者数は2万9488人(男1万4049人、女1万5439人)。4年前の市長選投票当日有権者3万1536人と比べ、2048人少ない。市選挙管理委員会では、棄権防止を呼びかけている。
 地区別の投票所は次の通り。
 ▽盛=カメリアホール、総合福祉センター
 ▽大船渡=地ノ森いこいの家、大船渡保育園、大船渡地区公民館、大船渡小体育館、下船渡公民館
 ▽末崎=神坂公民館、ふるさとセンター、碁石地区コミュニティセンター
 ▽赤崎=沢田公民館、赤崎地区公民館、蛸ノ浦漁村厚生施設、長崎担い手センター
 ▽猪川=大野公民館、猪川地区公民館、下富岡公民館、しんしん館(長谷堂公民館)
 ▽立根=立根生活改善センター、菅生公民館
 ▽日頃市=鷹生地域多目的集会センター、小通活性化施設、板用多目的集会センター、日頃市地区公民館、大森公民館、田代屋敷公民館
 ▽綾里=小路公民館、市綾里地区コミュニティ施設、野々前しおさい会館、漁村センター、砂子浜生活改善センター、小石浜公民館
 ▽越喜来=甫嶺地域防災コミュニティセンター、崎浜公民館、三陸支所、遊・YOU・亭夏虫
 ▽吉浜=吉浜地区拠点センター、増舘会館、根白会館、千歳公民館