第73回全国植樹祭いわて2023/次世代に恵み継承へ心一つ 式典会場で記念植樹 健やかな成長願い丁寧に 県内外の招待者2200人

▲ 記念植樹に参加し苗木がすくすくと成長するよう願う県内の子どもたち

 「第73回全国植樹祭いわて2023」の記念植樹は4日、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園と高田松原運動公園を会場に行われた。県内外の招待者約2200人が参加し、多種多様な約3300本の木を植樹。植樹祭のために地元の子どもたちが育てた苗木も使われ、参加者は健やかな成長を願い、豊かな緑を次世代に継承しようとの思いを込めながら作業した。(高橋 信、阿部仁志)


 植樹祭の大会テーマは「緑をつなごう 輝くイーハトーブの森から」。式典に先立ち行われた記念植樹は、国民の森林に対する愛情を培う取り組みの一環で繰り広げられた。
 苗木は本県や同市の気候風土、会場特性に適したものを選定。津波復興祈念公園には「オオバクロモジ」「オオヤマザクラ」「ドウダンツツジ」「ナツハゼ」など32種類の約3000本が、運動公園には「ケヤキ」「コナラ」「タブノキ」「ヤマザクラ」など17種類の約300本が用意された。
 植えた木の中には、令和3~4年に県内各地で展開された植樹祭の関連事業「苗木のスクールステイ」で育てられた苗木が含まれている。県内62の緑の少年団や小中学校の児童・生徒が苗木を育成する取り組みで、気仙地区では大船渡市1校、陸前高田市10校、住田町4校の計15校が参加した。
 紫波町・古舘小の松澤譲己さん(4年)はハナイカダの苗木を植樹。「初めてだけど上手に植えられた。頑丈な木に育ってほしい」と願いを込めた。北上市・江釣子中の伊藤和奏さん(1年)は「再び来る機会があれば自分が植えた木を確認したい」と話した。
 林野庁と国土緑化推進機構、一般社団法人ミス日本協会の連携で選定される「2023ミス日本みどりの大使」とし、東京都から参加した上村さや香さん(24)は「みんなで苗木を植えることによって、緑をつなぐ大切さを感じた。50年後、100年後に森となり、私たちの生活を豊かにしてくれることを願っている」と語った。
 花巻市から家族3人で参加した高橋健太郎さん(46)は「なかなかない機会。息子にとってもいい思い出になったと思う」と成長に期待をかけていた。
 招待者の植樹作業を指導した県森林整備協同組合(盛岡市)の千葉忠実事務局長は、気仙両市などを含む同組合沿岸センターで勤務したことがあり、「気仙に縁がある立場として植樹祭に関わることができてよかった。植樹する招待者から明るい声が聞こえ、多くの人が緑に親しむ場となったと思う」と目を細めていた。