大船渡地区「統合する」 再設置の協議会で結論 大中と末中 早期実現望む
令和5年7月14日付 1面

大船渡市の大船渡、末崎両中学校の統合是非を協議する本年度第1回大船渡地区学校統合協議会は12日夜、同地区公民館で開かれ、「統合する」との結論に至った。市教育委員会では、末崎地区でも同様の協議会開催に向けて日程調整を進めており、同じ結論となった場合、統合方式や時期、校名などを話し合う統合推進協議会が設けられる。出席した委員からは「一日でも早く」といった声が出た。
学校統合協議会は、市立小中学校適正規模・適正配置基本計画に基づく協議に向け、関係する中学校区ごとに設置。統合に関する事項を協議し、その議論結果を市教委に報告する。
地区公民館や小・中学校PTA、保育園保護者会の各代表や学校運営協議会委員ら18人で組織し、今回、新たに委嘱した。会合には委員12人に加え、オブザーバー参加の小中学校長と市議、事務局の市教委職員ら約20人が出席した。
小松伸也教育長は「最後の協議から2年半が過ぎた。少子化の進行を見ても、統合は早ければ早いほど、その時期ではないかと考える。それぞれの立場からご意見を」とあいさつ。引き続き、市教委事務局から▽協議会設置要綱▽適正配置基本計画の概要▽大船渡地区における学校統合に関する経過▽今後の進め方──の各報告が行われた。
協議に入り、会長には大船渡中PTAの川原夕輝会長、副会長には大船渡北小同の平山栄喜会長を選出。統合の是非に関しては「一日でも早い統合を」「子どもたちのために」「大船渡中PTAでも来年4月統合に向けて進めるよう総意を得ている」などの声が寄せられ、統合を反対する意見は出なかった。
同協議会としては「統合する」との結論で一致。川原会長は市教委に議論結果を報告する流れを示したうえで、「『統合する』というストレートのメッセージを上げたい」と述べた。
市教委の説明によると、末崎地区の協議会でも「統合する」との結論になれば、大船渡・末崎地区学校統合推進協議会を設け、統合方式や校名、校歌、校章など統合に必要な事項を協議する。この間も両校間で交流事業を実施し、スムーズな学校統合につなげる。
この日、市教委は、統合に向けた検討事項の時期的な目安も示した。保護者アンケートの時期に関する回答で多かった来年4月統合の場合、必須事項である統合の是非、方式、校名の各合意は「今月中」とする一方で、「8月末までならば、何とか可能と考える」とも説明。7年4月の場合は、本年度中の決定が望ましい意向も示した。
両校を巡っては、平成30年度の合同協議会で「令和3年4月の統合」「統合方式は新設」とする報告書を市教委に提出。しかし、校名などで折り合いがつかず、2年12月の統合推進協議会で「機運が高まるまでは統合を行わない」との結論に至った。3年度以降、市教委はアンケートや説明会を実施するなどして意向把握に努め、統合のあり方に関する協議再開を目指している。