膝つき合わせ議論活発 市議会 市民と語る会スタート 17日まで
令和6年5月15日付 1面

陸前高田市議会(及川修一議長、16人)が市民と意見を交わす「議会と語る会(議会報告会)」は、13日に始まった。16議員が3班に分かれ、17日(金)までに市内11地区のコミュニティセンターを回る。各会場では議会の常設機関の活動を紹介したうえ、地域課題などを巡り、議員と市民が積極的に意見を交わしている。寄せられた意見・要望は整理したうえ、今後、市当局に提出する。(高橋 信)
初日は小友町、米崎町、広田町の各コミセンで開かれ、3カ所合わせて市民約50人が参加した。
このうち、小友地区コミセンには約20人が来場。佐々木良麻、大和田加代子、伊勢純、佐々木一義、藤倉泰治、及川議長の6議員と懇談した。
議員側は令和6年度当初予算の概要のほか、総務、教育民生、産業建設の3常任委における調査・視察活動を報告。そのうえで意見交換した。
市民の一人は「議員の視察が市政にどのように反映されているのか見えない。視察によるこれまでの成果はあるか」と質問した。
これに対し、議員は「各議員は視察してきたことを最大限生かし、一般質問や予算審議などに臨んでいる。より良い地域とするため、市外にも目をやり、先進事例を学ぶことは議員の資質を高めるうえで必要」と説明した一方で、「視察がどのように生かされているのかの情報発信に欠けていた」と広報の手法に言及した。
1次産業従事者からは、温暖化対策への切実な声が上がった。「この2、3年は特に深刻で、一番最初に影響を受けるのが1次産業だ。先を見据えた調査も大事だが、温暖化に対する支援を今講じてほしい」と訴えた。
議員側は、市が打ち出している1次産業者向けの減収対策などを紹介。「非常に大きな問題。すぐに解決するのは難しいが、議会も知恵を出し、市、漁協、農協などと力を合わせて課題に向き合っていく」と強調した。
人口減、少子化対策も話題に。「自分の地域にも独身の人がたくさんいる。出会いの場が少ないことが少子化の原因の一つではないか。議員も考えて、(当局に)働きかけてほしい」と要望が聞かれた。
これに対し、議員は「20代の女性の転出が多いというデータもある。マッチング以前の問題として、この流出を考えねばならないと思う。陸前高田が女性にとって暮らしやすいまちかどうかということを、男性も女性も考え、男女共同参画の意識も広げていこう」と呼びかけた。
語る会は、市議会の広聴広報特別委員会(委員長・藤倉泰治議員)が主管。昨年度は議員の改選期だったことから、市内11地区を巡回する形式での開催を見送り、市内団体との語る会のみを開催した。本年度は4月に市建設業協会を対象に実施しており、7月以降、地元高校生らの意見・要望を吸い上げようと、ワークショップ形式の語る会開催を構想している。
及川議長は「議会、議員活動について市民への周知の仕方に工夫が必要と再認識した。非常に熱心に取り組んでいる議員ばかりで、それらを知ってもらえるような方策を考えたい。語る会は誰でも参加できる。一人でも多くの人に参加していただきたい」と呼びかける。
14日は今泉、長部、高田の3地区で開催。16日(木)は3地区、17日は2地区で開かれる。時間はいずれも午後7時から。
居住地区を問わず、誰でも参加できる。事前の申し込み不要。
問い合わせは、議会事務局(℡54・2111)へ。
16日以降の開催地は次の通り。会場はいずれもコミセン。
16日=生出、矢作、下矢作
17日=横田、竹駒