シカとの衝突防ぐ運転を 大船渡署管内の発生件数 今年は近年で最多ペース

 大船渡警察署(荒木田聖署長)は、管内で発生したシカと車両の衝突事故について、過去5年間と今年1~9月までの件数をまとめた。今年は過去5年と比較して最多ペースで件数が増加しており、同署はシカの飛び出しに対処できるよう、ハイビームを活用する運転などを呼びかけている。
 令和2年1月~今年9月までに発生した物損事故の状況をみると、総数5058件のうち、シカとの衝突は447件だった。
 令和2~6年の衝突件数を月別で見ると、10月が80件と突出して多く、次いで11月の42件、12月の35件。9月末~11月初旬がシカの繁殖期にあたるため、件数が多い傾向にある。
 一方、今年発生した衝突件数は9月末時点で65件と、過去5年間を上回るペースで発生している。
 件数を路線別に見ると、最多は主要・県道の131件。次いで、国道107号の108件、同45号の76件、同340号の59件、市町村道の37件、国道343号の19件、同397号の15件。その他は2件だった。
 2時間ごとの時間帯別では、最多が午後6時~8時の114件。次いで、同8時~10時の85件、同10時~午前0時の65件、午後4時~6時の46件と続く。
 シカとの衝突事故は、午後4時~午前0時にかけて全体の約7割が発生している。午前0時以降は朝にかけて件数が減少していく一方、日中の時間帯でも10件前後の発生がみられた。
 同署交通課ではシカの飛び出しによる夜間の事故を避けるため、スピードを出しすぎない運転や、対向車がない時はハイビーム走行をするよう勧めている。
 同課の菅野敬誕交通企画係長は「管内では他の野生動物と比べてシカとの衝突が多く、この時期は衝突の報告を聞かない日はない。シカの活動が活発になる夜間は、早期に発見して対処できるような運転を」と呼びかける。
 令和2~6年の月別件数と、2~7年の9月末時点における累計は別掲。