若者の学びを後押し 市の給付型奨学金制度 大学進学・在学者ら対象 11月4日から募集 8年度分20人程度
令和7年10月31日付 1面
陸前高田市は11月4日(火)から、大学などに進学・在学する学生らを対象に、返済不要の給付型奨学金制度の令和8年度奨学生を募集する。予定者数は20人程度。入学前に20万円の一時金を、就学中に月額3万円の奨学金を年3回に分けて配る。制度を創設して本年度で3年目。市出身の若者の学びを支える制度の財源として役立ててほしいと、昨年度には多額の寄付を受けており、市はこうした善意も活用しながら運用していく。貸付型の奨学生も同日から申し込みを受け付ける。申請はともに12月12日(金)まで。(高橋 信)
貸付型も受け付け
対象は、大学や専門学校などに進学・在学する人のうち、成績が特に優秀(評定平均4・0以上)で、経済的な理由で修学が困難な学生。
給付期間は、正規の就学期間(短大は2年、大学は4年、または6年など)としている。4年制大学の学生の場合、20万円の入学一時金と、月額3万円の奨学金を合算した4年間の受給額は164万円となる。
市選考委が申請者の世帯収入状況、人物、学力などを総合的に審査し、奨学生を決める。選考結果は来年3月に通知する。
給付型奨学金は、令和5年2月に就任した佐々木拓市長が選挙公約で打ち出した人材育成策で、5年度に制度化。初年度の6年度奨学生は20人で、費用はすべて一般財源を充当した。
7年度奨学生から、財源には市一般財源のほか、ふるさと納税寄付金と、「陸前高田ゆめみらい大場達史記念奨学基金」を追加。
同基金は昨年12月、同市にゆかりのある故人の遺族から「同制度に役立ててほしい」と1億2000万円の寄付を受けて創設した。この遺族からは今年3月にも5000万円の寄付が追加であり、基金の積立額は1億7000万円となっている。
7年度奨学生は38人。当初20人程度を想定していたが、同基金創設に伴い追加募集を実施し、給付の人数を増やした。
8年度分は前年度と同様、市一般財源、ふるさと納税寄付金、同基金の三つを財源に、奨学金を給付する。
貸付型の制度は、高校生に月額1万円と入学一時金10万円を、大学・短大・専門学校生らに月額3万円と入学一時金20万円を交付するもの。募集定員は高校生2人程度、大学生ら10人程度。返還期間は10年以内だが、卒業後に市内に居住する社会人であれば返済が減免される。
教委学校教育課の青山豊英課長補佐は「給付型奨学金制度については多大な寄付をいただき、本当にありがたい。この春進学する学生に加え、在学生も対象となるため、条件が合う場合はぜひ検討してほしい。昨年度までに不採択となった学生でも申請は可能で、まずはお気軽に当課に問い合わせを」と呼びかける。
申し込みは、市役所5階の同課窓口で受け付ける。応募書類は同課窓口でも配布し、市ホームページからもダウンロードできる。郵送も可能。問い合わせは、同課(℡54・2111内線522)へ。






