住宅再建個別相談始まる 大規模林野火災の被災世帯向けに 複雑多様化する課題への対応模索
令和7年11月30日付 1面
大船渡市大規模林野火災の被災世帯を対象とした、市と県、住宅金融支援機構東北支店による住宅再建支援個別相談会が28日夜、市役所で開かれた。自力再建を後押しする公的支援制度や災害復興住宅融資の利用に加え、資金面や建築一般等に関する不安、疑問点などに対応。資材価格の高騰や家族の高齢化など、被災した世帯によって悩みはそれぞれ異なる中、市などでは今後も実情に応じた相談体制の充実を図る。相談会は12月と来年2月にも予定している。(佐藤 壮)
12月と来年2月にも開催
初回の相談会には、被災世帯3組が訪れた。冒頭、市住宅管理課の三浦寛基課長が「7月~8月の支援制度相談会や、9月~10月の再建に関する意向調査での回答を参考に企画した。1度の相談だけでなく、気になる部分があれば何度来てもらっても構わない」とあいさつした。
この日は、公的支援制度に関しては県と市、災害復興住宅融資は住宅金融支援機構東北支店、建築一般は県建築士事務所協会気仙支部、ファイナンシャル・プランナーが、それぞれテーブルを設けた。
訪れた相談者は、建築・購入する際の名義やローンを組む際の注意点、加算支援金受給の条件などを確認。建設型応急仮設住宅に暮らす60代の女性は「入居期間が今のところ残り1年半となっているので、資金面などの準備をしていかなければ」と語った。
会場では、相談者が複数のテーブルを回る姿が目立った。また、被災した土地が土砂災害特別警戒区域に入っているかが把握できる地図も画面上に示され、立ち止まって眺める姿が見られた。
対応にあたった県建築士事務所協会気仙支部の古座勝利支部長は「東日本大震災直後と比べ、住宅建設費が高騰しているほか、家族の高齢化や、後を継ぐ人がいないといった事情もある。その中でも『仏間がほしい』など、できるだけ希望に合った住宅再建に向けてアドバイスできれば。『まずは漁業用の倉庫を建設してから』といった声も聞かれ、今後住宅再建への細かい相談が増えてくるのでは」と話していた。
大規模林野火災を受け、県や市は、被災した赤崎町外口の16世帯、三陸町綾里の46世帯に対し、仮設住宅の提供を進めてきた。このうち、建設型は旧蛸ノ浦小グラウンドに7戸、旧綾里中グラウンドに26戸を整備。5月に完成し、蛸ノ浦が7戸、綾里が19戸で利用が始まった。
同月時点での民間アパートなどの「みなし仮設住宅」利用は12世帯で、公営住宅は県営8戸、市営10戸の計18戸で入居。災害救助法に基づく仮設住宅入居は、原則2年間となっている。
入居者の中には、一部で退去の動きが出てきている。また、被災者生活再建支援金には、住宅の被害程度に応じて支給する基礎支援金と、住宅再建方法に応じた加算支援金が設けられ、再建・購入の契約に進んだとして加算支援金受給を申し込むケースも数件あるという。
市は9~10月にかけ、住宅が全焼し、仮設住宅などに暮らす被災世帯約60世帯向けに「今後の住まいに関する意向調査」を実施。再建方法や移転時期の見込みに加え、決めていない世帯に対しては理由や不安点などを確認した。調査で寄せられた支援制度や資金面に対する「不安な事項」に関しては、個別相談会前に一部回答を示している。
相談会は29日、綾里の綾里応急仮設住宅談話室でも行われた。12月にも日程を組んでおり、19日(金)午後7時~9時に市役所で、20日(土)午前9時~正午に同談話室で開催。来年2月には、27日(金)午後7時~9時に市役所で、28日(土)午前9時~正午には綾姫ホールの多目的ホールで予定している。
各会場では、今月28日の説明会ではできなかった法律相談にも対応。状況をみて、新年度以降の開催も検討する。
談話室での開催は、会場が手狭なため、仮設住宅の入居者は自室で待機することも想定しており、理解を求めている。
問い合わせは、市住宅管理課(℡27・3111内線321)へ。






