「必要性あるが慎重に議論」 小学校統合巡り町教委答弁 町議会定例会開会し一般質問

▲ 町議会12月定例会が開会。初日は3議員による一般質問が行われた

 住田町議会12月定例会は2日開会し、会期を5日(金)までの4日間と決めた。初日は荻原勝(無所属)林﨑幸正(同)阿部祐一(同)の3議員による一般質問が行われ、公共交通や経済対策、学校統合を巡って当局と論戦。この中で、町内小学校の統合に関して、町教委は「統合の必要性は大きい」との認識を示しつつも、関係者との慎重な議論が必要との考えを述べた。(2面に一般質問の主なやりとり)

 

 学校統合を取り上げたのは林﨑議員。「近い将来、小学校の統合が必要になると思われる」として、今後の児童数推移、統合の必要性や判断基準、時期について当局の見解をただした。
 全国的に少子化が進行する中、同町では児童・生徒数が急速に減少しており、将来的に子どもたちの社会性育成をはじめ、学校運営などに支障をきたすことが懸念されている。
 こうした中、町教委は令和3年7月、町教育審議会に対して「今後の小中学校のあり方」について諮問。審議会では会議の結果、中学校については「統合することが望ましい」、世田米、有住の町内2小学校については児童の発達段階を踏まえた十分な策を講じる必要があることから「時機を待って統合することが望ましい」と結論づけ、3年度末に答申。これを受け、世田米、有住両中学校が統合され、6年度に住田中として開校した経緯がある。
 町教委の説明によると、世田米小は12年度まで1学年1学級だが、13年度には2、3年生が複式学級に、有住小は8年度、9年度は通常2学級と複式2学級だが、10年度以降は全学年が複式学級となる。
 松高正俊教育長は、個々の児童に目が届きやすい少人数学級の長所もあるとしつつ、統合によって現在の小学校運営の課題である少人数による集団活動の制約減少、複式学級の解消による授業効率化、多様な児童間の切磋琢磨による学習意欲向上などが期待されるとして、「統合の必要性は大きいと認識している」と町教委としての見解を語った。
 また、法律や条例において学校統合の基準は設けられていないが、文科省が平成27年に発行した「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」に「複式学級が存在する学校規模は、一般に教育上の課題が極めて大きいため、学校統合等により適正規模に近づけることの適否を速やかに検討する必要がある」と記載されていることから、松高教育長は「複式学級の存在を判断基準と捉えている」と説明。
 一方で、学校の設置者は町で、校舎等を建設する場合には財政にも大きく影響すること、学校は学習の場に加え地域コミュニティーの核でもあり、防災や地域の交流の場であることなどを踏まえる必要があるとし、「就学前児童も含めた保護者、教職員、地域の方々からも意見をいただき、時期だけでなく統合にかかるさまざまな分野に関して慎重に議論して合意を図りつつ、設置者である町の合意も得ながら、スケジュール感をもって検討する必要がある」との考えを示した。
 林﨑議員は「検討だけでなく結論を」と求め、これに対して神田謙一町長は「結論ありきではないが、スケジュール感を含めて早急に検討するよう指示を出している」と述べた。
 今定例会の日程次の通り。
 ▽3日=本会議(一般質問)▽4日=休会▽5日=本会議(議案審議)