2010/02/17 006



うその軽さと重み

早々と不渡りとなるマニフェスト (永澤敬一郎) 2009年12月24日
年の暮れ何も重ねず年を取る (太田敏男) 2009年12月24日
気仙の人々は総じてお人好しであるが、中央政府のお偉方たちの軽い言葉に騙されてはいけない。考えてみれば2,000年もの間だまされてきたのだから。
口の軽い人はそれなりの嘘をいうが、黙って裏で悪いことをするやつはもっと悪く人々の生活までを引きずってしまうことがある。
◆川柳のお返し うそ重ね年をも取れずに口を閉じ


戦中の思い 戦後の思い

雪降りの遠野の駅に父母残し軍用列車で舎弟の征けり (村上キク) 2009年12月24日
北上の川原へ出れば頭上より雲雀しきりに余所者合図 (鈴木房子) 2009年12月24日
海望む高台に建つ家の庭 潮の香のせし風の吹き来る (大和田勝代) 2009年12月24日
第一首の村上キクさんの短歌から・戦中の思い戦後の思い・として他の二首をつなげて講評します。
第二次大戦中は若者は兵隊に召集され死の覚悟を持って親兄弟を残して泣き泣き戦地に向かいました。
残った姉は戦地の弟が心配で畑の近くにある川原で雲雀が鳴いているのを聞いて弟が外地で苦労していると雲雀が告げているのではないかと心配していた。
戦争が終わり海の見える高台に家を建て、潮の香りのする海風にふかれながらこの風に弟の霊が何かを告げているのではないかと感じているのかもしれない。
戦争は人々の心身を根こそぎに苦しめます。戦争は起きないように常日頃からお互いに心がけなければならないことです。
平和を口で唱えるだけでは戦争はふせげません。普段から腸にしみ込ませた用心が大切です。
◆返歌 海鳴りの遠く聞こえる庭にいて外地で死にし弟偲ぶ


花嫁と風の又三郎

「この土地に早く馴れてね」 「ありがとう」 遠くから来し若き花嫁 (菅原冨江) 2009年12月24日
新たなる結の契りを束ねしはお互いの情ともに支えん (熊谷宏子) 2009年12月24日
この風は又三郎と素直に聞く幼はかしこし 「台風じゃないの」 (白川ユリ子) 2009年12月24日
三首を “花嫁と風の又三郎” としてつなげて講評します。
遠く離れた土地から嫁に来た若い花嫁は契りし人と新しい生活を作り上げ、その土地に根付かねばなりません。
風の又三郎は台風のように訪れて台風のように去っていきます。
この嫁さんにも可愛いい子供が授かりその幼子は台風が来ると吹きつける風に恐ろしくなってしまって、お母さんから聞いた風の又三郎を思い出して尋ねているのでしょうね。
「台風じゃないの」、これは大人の言葉でしょうね。気仙では昔から風の神は豊漁を恵むと知られているようだ。
返歌 風の神山から風を吹きつけて鮭は上りて豊漁恵む


隠し事

ボス二人カネを抱えて年を越す (永澤敬一郎) 2010年1月7日
初詣で初雪滑りプレゼント(太田敏男) 2010年1月7日
日本の政治はカネを使い過ぎである。政治家も支援者もお互いにもろもろの隠し利益をやりとりしているためである。
現在の中央政府のトップの二人もこのことで検察の調べを受けている。母親への新年のごあいさつ、庶民の年収を遥かに超す多額のお年玉をいただく、秘書が初詣の挨拶に来て、紙袋に入れて隠し金を運ぶ。初雪がそれを隠してくれる。
今までは初雪をすいすいと滑れたのに今年は雪がすくなかったかな!つまずいてしまった。法を作り、行政を行う中心となる人が隠し事をしては国は治まらない。
◆返句 拉致と核独占反対言えぬ国