2010/02/27 009



信用の育成

説得力有るはずがない謎を秘め (佐々木栄) 2010年2月3日・東海時事川柳  
東海新報 「声」 の欄 (2010年2月3日) の動物愛護最前線に、ペットにマイクロチップを埋め込んでペットを管理する話が載っていた。マイクロ電子技術時代のこととしてはなるほどとうなずける。
ここで留意したいことは先ず、ペットの所有者のペットに対する責任と愛情である。これは有害な廃棄物やゴミの不法投棄、近隣の人々への騒音や悪臭の放置など自分が生活している周りの地域への無関心や無責任な生活態度と関係がつながってくる。
これらに先ずもって、取り組むべき政治家が政治資金のごまかしとか流用とか自分の政治的利益のために責任を果たさずに、その無責任な行為をひた隠しにしていることである。
技術革新は現代社会においては必要不可決であるが、これを社会のためになるように使うには、法的取り決めと同時にこれを支える道徳の育成が大切である。
現代社会病の重篤な “信用の喪失症” の回復に気仙からの取り組みに期待したい。


伝統と創造

煤払い 親子三代 勢揃ひ (及川光子) 2010年2月3日・松風句会
大晦日が近くなっての休日に家族が総出で煤払いをする。電化製品と車社会になっても気仙地方に家族総出の煤払いの伝統が残っておることはとても懐かしい思いがします。
親子三代がそろって煤払いをしているうちに若い世代は上の世代から神棚や仏壇にまつわる先祖や宗教の話を聞くこともあり、伝統行事の奥にある生活の知恵としての煤払いの意味を少しずつ分かってくると思う。
咋今の政治と金にまつわる政治腐敗問題のテレビや新聞の報道を聞くにつけ、福島県の人口6,000位の山祭町が町長の指導の下に小さな町を支えてきた地域のやる気と信頼の育成という旧い伝統の知恵を掘り起こし、そして復活させて行政改革を行ったことを思い出す。
それは中央政府の補助金に頼らないで自立の改革を選ぶという困難な道であったが、住民の世代を超えた協力を集約して行政に生かす道を創造して見事に町を生き返らせたのである。
まさに伝統の力を地域が生きる力に改革するという道を創造したことである。

若水や お点前の子の  片えくぼ (菅野叶子) 2010年2月3日・松風句会
若水を 掬う七十路の 生命線 (村上繁子) 2010年2月4日・こもれび句会
若水を柄杓で汲んでお茶をたてる若い娘、若水を手で掬ってお茶をたてる老女、元旦の朝の新鮮な気持ちいっぱいの娘心、目出度き新年への思いの中に老いの身の命を感じている老女。この二句には若と老の若水へのそれぞれの思いが詠まれております。
2月7日朝のテレビで佐賀県の人口10,000足らずの上峰町で、30歳で当選した町長が破産寸前の町の財政再建に取り組み奮闘している報道がありました。
先ず、自分の給料を半分以下に削る事で議会の壁にぶつかり、自分を支えてくれた若い同級生たちの協力でようやく議会を通すことができ、そこから改革が一歩一歩動き出し始まっている。ここにも地域として町が生き続けるために必要な伝統の力の検証と改革への世代を超えた協力が見られる。
町長の給料の削減から始まり議員の報酬や人件費の削減、無駄な事業削減と必要な住民サービスの改善など、取り組むべき仕事は山ほどあるが、世代を超えた住民の参加と協力がこの難事業を支えているようです。伝統の維持と改革による地域政治、経済、文化の創造への挑戦を続けることを忘れてはならない。