2010/03/05 011



人まかせと 信頼

現代の政治は値上げするばかり (木村自然児) 2010年2月5日・昭和54年の作品
政府の累積赤字は1,000兆円に近づいていると言われている。
国民に公開している一般会計80兆円と公開していない特別会計の200兆円を合わせても年間の国家会計は300兆円、家計で考えれば年収の3倍以上の借金を返すのは並大抵の努力と苦労ではできない。国家の会計においてもこれは大きな困難を含んでいる。
政治家と官僚は国家の台所など気にしないで自分の取りどころだけを取りまくる事をし続けてきたツケがまわってきているのである。日本国民はバカが頭につくくらいお人好しなのか、これも自分の目先だけを考える国民性なのかをしっかりと見極めなければならない。
政治は庶民の生活に響く物価を値上げして国民を苦しめ、政治家は政党助成金という税金を使って選挙をし、高額の収入を得て涼しい顔をしている。木村氏はすでに20年以上も前にこのことを川柳で警告をしている。
この川柳が含んでいるように、お人好しの日本人は目を覚まし、国民の信頼を食い物にしてきた政治家やお役人への丸投げの人任せではなく、子々孫々のため一票の力を行使して立ち上がらなければならない。まずは地域行政から始めようではないか。

暗算を しながら食べる 鮨の味 (木村自然児) 2010年2月5日・昭和54年の作品
昔は鮨屋に入って鮨を注文しても値段が表示してないのでどれだけの金額の鮨を食べているかがわからないので不安になった。
しかし鮨の通と言われる人はそんなことを知らん顔でいるのである。これが江戸から伝わった “” の文化なそうである。さすが現代では回転ずしなど一般庶民のいく鮨屋には値段が表示してある。これなら懐具合と相談しながら安心して食べられる。
この庶民の納得と安心を目指すことこそ税金を使い管理している政治と行政が身を締めて行うべきものであり、このためには情報の公開を実現しなければならない。今世界はこのような方向に動いている。
日本の常識は世界の非常識と言われないように、人まかせだけにするのではなく、一票の行使による行政のチェック、いわゆる地域に草の根民主主義を創ることを目指さねばならない。30年前の川柳詠作者の先見性に脱帽をする。

新たな農業の “殿堂” 完成 (たいむトンネル) 2010年2月6日・20年前のきょう…平成2年
創立70周年を迎えた県立大船渡農業高校に、新しい時代の農業に応えられる最先端技術を供えた施設が完成した。この記事にはバイオテクノロジ―を取り入れた新しい農業教育の場としての大きな夢が新聞で報道されていた。
人力農業から家畜力導入農業へ、そして化学肥料機械化農業、さらには市場経済農業への道を進んできていた当時の農業の夢がいっぱい込められていた。しかし、グローバル経済の中に組み込まれた日本農業は食糧の自給率が40%を下回っており、日本人の食の安全が危機に曝されているのである。
農業従事者や後継者の減少と休閑農地の拡大、農地の荒廃など問題は深刻である。江戸時代、東北の農民は冷害などによる農作物への被害だけでなく過酷な年貢の取り立てなど社会的な大きな苦しみを被っていた。
この農民の窮状を救うべく、東北生まれの医者であった安藤昌益が “自然真営道” という農業に従事して働く人そのものが社会にとって一番大切なひとであるという社会思想をマルクスが生まれる百年も前に生みだしたのである。
農業から見た “流行と不易” …2月6日の東海新報からこれを読み取った。