2010/03/16 014



以心伝心夫婦に言葉など要らず (佐々木七草) 2010年2月10日、川柳おおふなと
他人から見れば些細な痴話喧嘩 (及川剣坊) 2010年2月10日、川柳おおふなと

“親しき仲に礼儀あり” といわれているように、いくら親しくなったからといって、お互いの礼儀を忘れると仲がうまくいかなくなる。
夫婦といえども、日常のアウンの呼吸の親しい関係は見えないところでの深い信頼があればこそ成り立つものなのである。この信頼が揺らぐと夫婦の痴話喧嘩が始まる。
2月10日の東海新報に「日本の食は安すぎる安全・安心製造技術講座」の記事が掲載されている。講座は、各種食品製造会社は安全性を犠牲にし、偽装でもしなければスーパーが求めるような価格商品が提供できなくなっている実態を挙げている。
その上で、「食は安ければいいものではない。安い食品はそれなりのものでしかない。商品が安売りされることにより、製造に携わっている誰かが泣いている」と報じている。
そして欧米で浸透し始めているエシカル(倫理的な)・ソーシング(調達)という考え方を説明している。これは、仕入先などの相手をたたかない購買活動のことであるという。具体的には、開発途上国に森林伐採を強いるような買い方だったり、枯渇しそうな水産資源を乱獲させるような購買をしないということだという。
現在世界は地球温暖化、人口増加、食糧資源と利用可能なエネルギーの限界など地球規模の深刻な問題を突きつけられている。人類文明の持続のために不可欠な(欲と倫理)の新しいあり方を追求すること、それは政治、経済、文化、などの広い領域の緊急の課題である。


大地に根を張る

折れそうに見えて折れない竹の性 (佐々木七草) 2010年2月16日、高田一柳会
急流に耐えて柳が意地に堪え (黄川田敬子) 2010年2月16日、高田一柳会
しなやかに見えて芯ある意地も抱き (千葉暘子) 2010年2月16日、高田一柳会

政権交代による新しい日本の蘇生という鳴り物入りで民主党が政権党になって半年になる。しかし不況の波は依然として吹き荒れており、外交内政と問題は山積みである。この荒波は地方の政治と経済に大きな打撃をあたえ、地方の政治経済はこの荒波に翻弄されている。
2月17日の東海新報1面に大船渡市「基金残高ほぼゼロに 国保特別会計22年度予算案 財源活用今後難しく」という記事が掲載されている。高齢者の医療サービスをどのように維持できるのかという不安が生じてきている。市当局は問題の内容とその対策に関して住民が納得するような説明を行わねばならない。このための議会の役割は極めて重要である。
2月12日の東海新報1面記事「増額、工事延長の新大船渡魚市場 『説明責任』 果たしたか 住民レベルの納得には遠く」、13日の「もっと丁寧な説明を議員側に物足りなさも」を思い起こせば、市当局と議員への不満がわいてくるのは当然である。
住民から税を集め、その税を地域の経済、教育、福祉など地域の生活をささえ、地域力を維持し再生産するために働くのが市当局と議員の役目である。この大切な役割を果たす事に真剣に取り組むのが当たり前である。
住民はこのように地域に根を下ろし、根を張った市行政が行われるのを求めているのである。
「折れそうに見えて折れない竹の性」竹は土深く根を張っている。土に深く根を張ったものはしなやかである。地域に深く根を張れば世の中の荒波にもしなやかに耐えて生きていくことができる。気仙にもこのような根が張り始めている。
2月14日の東海新報に住田町の若手職員が中心となって “協働のまち” を描くアイデアを発表している記事と “地域づくり語らう 地域別計画推進組織 世田米で意見交換交流” の記事が掲載されている。
「急流に耐えて柳が意地に堪え」北国の気仙地方の春は遅い、雪解け水が流れ始める春先になると川辺に猫柳が冷たい風に吹かれ急流に耐えながら咲き出す。気仙の底力は土にしっかりと根を張って中央の政治経済の荒波に耐えて生き抜いてきた歴史を思い起こすことである。
「しなやかに見えて芯ある意地も抱き」気仙女性の力に対する期待が大きい。