海洋河川山岳循環文化誕生への巡礼
縄文文化からの逆照射 ��
おのづから鈴のひびきにぼんのうの ねむりもさめてねがうのちのよ （江戸の巡礼者） 祈りの道
気仙三十三観音霊場・坂口観音堂 （三十二番札所、陸前高田市高田町字寒風）
東海新報・佐々木克孝記者の連載記事「祈りの道―気仙三十三観音霊場」も、2010年3月13日で三十二番札所までたどり着いて、残すところ最後の一つとなった。
江戸の巡礼者は、大きな自然石に刻まれた六地蔵と観音堂に安置されている観音様へ祈りを和歌によんだものと思われる。大きな自然石に刻まれた地蔵と観音への祈りは自然宗教と仏教との宗教習合の一つの姿であると思われる。
先日、地域文化育成研究会での講演のため高知を訪ねたときに、
四国巡礼の方と話し合う機会があった。その方が巡礼の旅を思い立ったのは、孫が世話になっている障がい者教育施設への感謝と、この機会を見えないところで世話してくれた人々への感謝を込めてのものであると言っていた。
この障がい者教育施設の創始者は “障がいを持つ子どもにも人間として生きる賢さが備わっており、それを育てるのが教育のなすべき使命である”
という教育理念を戦後60年にわたって実践してきているとのことである。
この施設に入所できる子どもは、貧困や親の愛を十分受けられなかった家庭の子が半分ぐらいいるらしい。面接の後、面接に来た親子の態度や話が施設の創始者の教育魂に触れれば、入学が許されるらしい。決してお金や縁故だけで決まるものではないらしい。
巡礼の方は80歳位に見えたが、孫が施設に入れたのは、町の小学校で自分の父親が教えていた頃の教え子がこの施設を知っており、手をまわしてくれたことも関係していることが分かって、孫の施設への入学が多くの人のお陰であることに心が深くうごかされたので、亡き父への感謝と先祖や人々とのつながりへの感謝を自然の神や仏様に捧げようと巡礼を思い立ったという。
この巡礼の方がこれも
弘法大師のお導きのありがたさかなあ！と言いながら、私の故郷である気仙における巡礼について聞いてきた。巡礼者との話が弾み、世界の巡礼文化まで話が及んでいった。