2010/11/27 ● 039 番外編
地域の文化と心を育てる 〜世界へのメッセージ〜 ��
世界の人口増加が続く中で、他の国々に先駆けて日本は少子高齢と人口減少社会を迎えております。そして、ほぼ70億に達しようとしている世界人口は、食料資源やエネルギー資源確保の問題、地球温暖化などの自然環境問題、貧困と経済格差問題など、多くの深刻な問題を引き起こしています。
少子高齢と人口減少社会に対し、日本は社会構造と価値変換という大きな問題を抱えており、他の国々が人口増加が引き起こす人類全体に及ぼす問題を無視して、自国の利益だけを考えているのに、日本は何故このような少子高齢と人口減少社会に向かっているのか？
そのひとつの解答が、日本の縄文文化の底に流れている自然と社会と宗教観につながっているものにあると考えられます。
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現代に通じる縄文文化の社会学的価値は戦後、岡本太郎による縄文芸術の美にはじまり、自然人類学、考古学、詩と宗教学などの領域で一歩一歩積み重ねられてきました。その中で注目すべきことは、大きな木造建築やストーンサークルといった構造物を築いたことが発見された中で 「階級社会の形成がなされなかった」 ことです。
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2500年前に大陸から伝わった弥生文化に縄文文化が征服されて以来、１万年以上も続いた縄文文化は歴史の奥底に姿と心を潜めてしまったと考えられてきました。祈りと、その魂を込めた土偶や土器、ヒスイなどの工芸品、それらは自然と人間の交流の世界を表すものであり、同時に人と人の心のつながりを表すものです。
これら多神教の文化から一神教文化が生まれ、そして科学技術文化が生まれました。人口問題にかかわる政治、経済、環境、文化宗教等の問題はすべてこのような展開とつながっています。
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この視点に立つと、日本の文化にはこれらの文化を生んだ母なる縄文文化の 「自然と人」、そして
「人と人」 との対話の文化の伏流水が姿を現してきていると考えられます。
世界にはアフリカ大陸、ユーラシア大陸、南北アメリカ大陸にこれら１万年をも超える古い文化の遺跡が多く発見されてきており、それらの文化の奥底には、「自然と人」 「人と人」 との対話の積み重ねが生んだ知恵の世界が潜んでいます。
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このように、現代の行き過ぎた社会格差と利潤追求が引き起こした諸問題は、既に先人の文化がその解決への糸口を見出していたと考えられるようになってきております。
言うなれば、日本、特に縄文文化を色濃く受け継いでいる気仙地方は世界が取り組むべき問題解決の糸口を見出すべき重要な歴史的使命を帯びていることになり、気仙地域の少子高齢化や過疎の問題解決は「地域文化価値の掘り起こしとその育成」による地域おこしにより世界中につながる大きなメッセージになるものと確信しています。