東海新報 2010年11月10日付の第１面に 「 『新リーダー』 とは 大船渡市長選を前に��」
が掲載されている。人口減少問題に悩む現状をありありと浮かび上がらせる 「
『減少』 に歯止め策は 人口問題、若年就労者…」 という見出しの下に、５年、10年は厳しい時代、「人」
の減少が特に顕著、就労者意欲の向上も不可欠という内容の記事である。
このなかで、一足先に新リーダーとして船出した、大船渡商工会議所の齊藤俊明会頭が就任あいさつで、地域経済活性化へのキーワードとして
「元気」 を挙げていた。
元気は身体と心が調和して生まれて来るものであり、まさにこのためには地域文化価値教育が不可欠である。齊藤会頭が青少年への気仙地域文化価値教育に関心を持ち、既に 「
気仙辺辺（あだりほどり）の四季」 を出版し、東京にある会議室の一つを東京在住の人々のために気仙文化塾を開いていることは喜ばしいことである。
この東京在住の人々による気仙文化塾の展開は、気仙出身の人々が郷里気仙に経済、文化、政治などいろいろな面でつながりを持ち、気仙地域の活性化に寄与する可能性への第一歩である。
同日第５面の随想 「２地域居住の時代がきます」 （大船渡市猪川町・熊谷良平）では、都会で暮らす人が、１年のうちの一定期間を故郷で暮らす生活スタイルが述べられている。気仙から出て都会で暮らしている気仙出身の人々が考えてみる価値がある意見である。
11月５日付の第７面には 「中高生対象に 『
出前講義』 郷土のために一役 ふるさと大使の梅内さん」 が掲載されている。東京在住の気仙出身の大学院教授による大船渡高校と大船渡東高校での出前講義である。このようなことが実践されて人々が気仙とつながりを強めると、これは気仙を元気づけるものになると思う。
11月10日付第８面の 「黄金が降るよう 川沿いのイチョウ見ごろ 越喜来」 の
“黄金の道” をつくるイチョウと保育所の子どもたち――大船渡市三陸町越喜来の黄金のイチョウをバックにした５人の元気な子どもたちの写真は気仙の明るい未来を表すものである。
９日付第８面には 「 “大玉” すだれ 『ころ柿』 加工始まる」 は、ころ柿作りが始まった伊藤省吾さん宅（日頃市町）の様子を掲載。また13日第８面には 「ころ柿ゆ〜らゆら 三陸駅に晩秋の風物詩 三陸鉄の会」 の写真が載っている。
この気仙の柿の写真は同日５面の東海文芸 「こもれび句会」 の、軒下を朱色で飾るつるし柿（佐藤牧子）、旅に出て立寄る柿の名産地（菅野久子）らの作品とイメージがつながって来る。
また、塩焼きの秋刀魚で足りたる老二人（村上繁子）の作品は、同５面の芸術ケセン文化各市町芸術祭よりの絵画「夫婦船」（大船渡市・鎌田功一郎氏の作品）とイメージが響き合ってくる。
芸術祭に参加した作品同士がお互いに響き合って気仙の自然と長い歴史に育まれたと文化の価値と心をより豊かにすることを願っている。