気仙応援団憲法前文



科学技術の目覚ましい発展の一方で、貧富の格差と社会不安、そして地球温暖化などその光と影の落差が拡大し、人類の生存を脅かす危険性も報告されてきている現代、このように重大な問題に立ち向かうには世界が力を合わせなければならない。
気仙地方には世界を結びつける力が縄文時代からの長い歴史の中に埋蔵されている。狩猟採集文化時代、稲作文化時代それぞれにおける自然との共生、そして科学技術文化時代の政治、経済、人口、環境問題などの歴史と経験を通して、気仙地方は鎮魂文化の中に自然と人間が共生する知恵とエネルギーを生み出してきた。それらは鹿踊りや念仏剣舞などの郷土伝統芸能や、気仙の伝説や詩に受け継がれてきている。
21世紀は、科学技術と並行してそれを支える文化力、即ち心の力の重要性が叫ばれている。宮沢賢治が 「世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」 として現世を超え四次元世界を視野に入れて心と物質の交流の必要性を強調しているように、心は物質、生命、歴史の記憶のつながりのなかで生まれてくるのである。
この考えは現代の科学、哲学、思想、芸術に広く受け入れられている。今や気仙の心を世界に伝える時が来ているのである。