新校名は「大船渡中」に 大船渡・末崎地区統合推進協で結論 7年春開校へ校歌、校章、制服も協議

▲ 新設統合校の校名で結論に至った協議会新設統合校の校名で結論に至った協議会

 大船渡市の大船渡中学校と末崎中学校の統合に向けた第3回大船渡・末崎地区学校統合推進協議会は20日夜、大船渡町のおおふなぽーとで開かれ、令和7年4月に誕生する新設統合校の校名を「大船渡中」とする結論に至った。今後、市議会議決を経て正式に決定となる。この日は校歌や校章、制服、運動着など、より具体的な協議も進められた。
 協議会は大船渡、末崎両地区の小中学校保護者代表、未就学児童の保護者代表、地域における公共的団体の役員ら22人で構成。10月31日以来の開催で、この日は委員19人に加え、オブザーバーを務める両地区内の小中学校長、市議が出席した。
 校名に関しては、前回の協議会終了後の部会で話し合った内容などをもとに「大船渡中」「大船渡南中」の2案が示された。それぞれに込める思い、願いなどが説明された。
 大船渡中は「新設校には、これまでの町という枠組みを超え、市を代表し、けん引する中学校になってほしい。そして、両町の子どもたちには、市を代表する中学校としての誇りを持ち、新たな歴史をつくり、地域とともに歩んでほしい」といった願いが披露された。
 大船渡南中は「新設統合のため、新校名であることに意味がある。既存校名では『吸収された、傘下に入った』という意味が潜在的に働き、不安を助長させる懸念がある。少しでも払拭するため新校名にこだわった」「大船渡町と末崎町を包含した場合、市の中では南に位置すると言える。『南』は方角だけでなく、末崎の意味も含む」との思いが示された。
 その後、出席委員全員が発言し、大船渡中を望む意見は末崎地区側のPTA関係者らも含む15人で、大船渡南中は4人だった。市教委側で新校名を「大船渡中とする」との結論を諮り、異論は出ず、協議会として決定。市教委側で再度確認した中では、大船渡南を望んだ出席者から「やむを得ない。異議はあるが大船渡中ということ」との発言が出た。
 引き続き、校歌と校章の決定方法を議論。出席委員全員の意見を踏まえ、校歌は「新しいもの」とし、事務局側でいくつか制作方法などの案をまとめ、来月22日(金)開催予定の次回協議会で示すことになった。
 校章は「末崎中のそのものか、マツをモチーフにしたもの」との方針。同校の校章に取り入れているマツは市の木になっているほか、委員から「末崎のものをできるだけ残してほしい」との意見もあった。
 制服に関しては、検討部会で協議を重ねた基本的な考え方の案が示された。「新時代に合った制服、運動着にする」とし、制服は男女ともブレザースタイルで、運動着も新しいデザインとする内容。今後、子どもたちや保護者にも提案し、意見を求めることにしている。
 前回の協議会では、7年4月の統合を決定。現在の中学2、3年生は大船渡、末崎の各中学校から卒業し、1年生が3年生になる時に新設校が誕生する。校舎は、市がまとめた小中学校適正規模・適正配置基本計画に基づき、現在の大船渡中となる。