新中学校の具体協議進む 統合で令和7年4月開校の「大船渡中」 校章は末崎中から〝継承〟へ

▲ 校章などについて議論を重ねる協議会

 大船渡市の大船渡中学校と末崎中学校の統合に向けた第4回大船渡・末崎地区学校統合推進協議会(会長・川原夕輝大船渡中PTA会長)は22日夜、大船渡町のおおふなぽーとで開かれた。前回の協議で新設統合による校名は「大船渡中」と決めた中、この日は校章と校歌などについて議論。校章は末崎中のものを使用し、校歌は委託する方針で引き続き検討を進めることになった。制服選定は、男女ともブレザースタイルを基本として進める。

 同協議会は大船渡、末崎両地区の小中学校保護者代表、未就学児童の保護者代表、地域における公共的団体の役員ら22人で構成。先月20日以来の開催で、この日は委員15人に加え、オブザーバーを務める両地区内の小中学校長が出席した。
 冒頭、小松伸也教育長は「子どもたちに何ができるか、何をしなければならないのかを考え、よりよい環境を整えていきたい」とあいさつ。進行役を務めた梅澤聖史副会長(末崎小PTA会長)は「スムーズな進行にご協力をいただきたい」と述べた。
 協議に入り、校章の選定について議論。前回までに▽現在の末崎中学校の校章を採用する▽マツをモチーフとした新たな校章を制作する──との合意が図られた中、さらに細部を詰めた。
 出席委員一人一人が発言し、「市の木である『松』を用いている」「末崎中の伝統を残してほしい」など、現在の末崎中校章を採用する意見が大半を占めた。結果、校旗で描かれているものを新設中学校でも生かすことになった。
 校歌制作では、前回までに「新たな校歌を制作する」で合意していた。今回は事務局が▽直営(推進協議会で作詞作曲を担う)▽公募(作詞作曲全て、歌詞のみ、単語を募集する)▽委託(地域に縁のある人、地域に縁のある著名人、制作会社)──の案を示した。
 委員の意見で大半を占めたのは、地域に縁のある人、地域に縁のある著名人への各委託。委員からは具体的な依頼者の提案も出たほか、制作に向けたコンセプト、生徒らの意向反映なども話題に上った。この日は結論を出さず、次回議論で引き続き事務局が案を示すことになった。
 制服選定に関しては、組織内の制服検討部会が男女ともブレザースタイルとする「基本的な考え方案」を示し、異論は出なかった。運動着選定に関しては、現在の大船渡、末崎両中学校の在校生やその保護者を対象に実施した色などに関するアンケート調査の内容を示し、引き続き調整を重ねる方針。次回協議は、1月26日(金)に行われる。
 これまで開いた協議会では、7年4月の統合を決定。校名に関しても「大船渡中」とする結論に至り、今後、市議会議決を経て正式に決定となる。
 現在の中学2、3年生は大船渡、末崎の各中学校から卒業し、1年生が3年生になる時に新設校が誕生。校舎は、市がまとめた小中学校適正規模・適正配置基本計画に基づき、現在の大船渡中となる。末崎地区からは、スクールバスの運行を計画している。