緑豊かな森づくりを、スギ苗木300本/住田で気仙地区植樹祭

▲ 苗木の成長を願いながら植樹作業に当たる参加者ら=住田町世田米

 気仙地方林業振興協議会と住田町林業振興協議会による「気仙地区植樹祭」は26日、同町世田米地内で行われた。気仙各地から林業や地域団体の関係者ら約80人が参加。スギのコンテナ苗300本が用意され、参加者らは苗木を丁寧に植え付けて緑豊かな森づくりに努めた。
 植樹祭は恵まれた森林を次世代に引き継ぐとともに緑化意識を高め、循環型森林環境づくりを推進しようと毎年、気仙各地で開催。公益社団法人県緑化推進委員会の「緑の募金活用事業」を活用しており、募金の中にはアサヒビール㈱からの寄付金が含まれている。
 町役場前広場で行われた開会式では、多田欣一町長が「先人たちが育てた豊かな森林を後世につなぎ、山林と水を守り育てていく役割がある。これからも尽力をお願いしたい」とあいさつ。来賓らも祝辞を贈り、同社岩手支社の梅垣幸嗣支社長は「この体験をいろいろな方に広めていきたい。緑化活動の推進と素晴らしい森が受け継がれることを願う」と述べた。

植樹場所には記念の標柱を設置=同

植樹場所には記念の標柱を設置=同

 その後、一行は川向地内の町有林に移動。記念標柱の建立後、広さ20㌃の植樹場所に手分けをしながら2年生のスギコンテナ苗300本を植え、それぞれの苗にシカの食害防止用シェルターを設置した。
 初夏の日差しのもと、参加者らは汗を光らせながら作業。長さ30㌢程度の苗を1本ずつ定植し、順調な生育に期待を込めた。植えられた苗は5年後にシェルターを外し、40~50年後に伐期を迎えるという。
 緑化推進委から参加した書記の佐藤光さん(32)は「一つひとつの作業を実際にやってみると大変で、山がつくられるまでにいろんな苦労があると実感した。苗木にはちゃんと育ってほしい。募金が使われている現場に来られて良かった」と笑顔を見せていた。