ブランド米の夢広がって

 今月、陸前高田市の地域ブランド米「たかたのゆめ」関連の面白い取り組みがあった。国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げられた同米の種子が同市に戻り、育苗を経て、米崎町の水田に植えられた。今季収量はもみベースで2㌔程度と少量だが、これを「原種」として来季はさらに規模を拡大する構想で、今後の栽培の取り組みを注視したい。
 田植えは、平成24年に市内でたかたのゆめを初めて植えた同町の「発祥水田」で、今月5日に行われ、たかたのゆめブランド化研究会関係者約10人が臨んだ。約15㌃のうち、ごく一部に手植えし、作業自体は10分程度で終わった。それでも「ここから始まるのか」と思うと浪漫を感じた。
 たかたのゆめは、日本たばこ産業㈱(JT)植物イノベーションセンターに保存されていた種もみ「いわた13号」から誕生。「ひとめぼれ」と「いわた3号」をかけ合わせた東北向け品種で、同社が陸前高田市に種もみを無償提供し、平成25年から生産が本格化した。昨年10月からは、市と友好協定を結ぶサッカーJ1・川崎フロンターレの選手食堂でも使われている。
 同米の種子が宇宙に運ばれたのは、「東北復興宇宙ミッション2021」(同実行委主催)の一環。東日本大震災で被災した東北の復興の姿と支援への感謝を国際宇宙ステーションから全世界に発信しようとのもので、地域活性化や産業創生に役立てるべく、東北3県の被災自治体などから特産品(各10㌘)を回収。昨年6月に米フロリダ州のケネディ宇宙センターからロケットで打ち上げられ、同年7月に地球に帰還し、各自治体に返還された。
 宇宙を旅してきたたかたのゆめは、宇宙米として付加価値を高めて売り出していくという。どんな展開が待っているのか今後が楽しみだ。「どんどん夢が広がっていけばいい」と願っている。(信)