特別な夏の〝フェアプレー〟

 県高野連は、7月7日(水)に開幕する第103回全国高校野球選手権岩手大会を有観客で開催する方針を示した。保護者を含む観客は1000人を目安に制限し、新型コロナウイルスの感染状況次第で、無観客に切り替えることも検討する。
 コロナ感染者がいまだに連日、数百人発生している東京でさえ、今夏の五輪・パラリンピックを開催の方向で準備を進めていることを考えれば、岩手の高校生の舞台だけが失われる理由はない。
 アスリートにとって五輪が4年に一度の特別な舞台だとすれば、甲子園を目指す岩手大会、あるいは全国高校総体(インターハイ)出場を狙う県高校総体だって、高校3年生にとってみれば一生に一度の夏。1年超のコロナとの闘いの中で得られたノウハウを生かし、感染防止策を徹底したうえで、晴れ舞台が実現してほしいと心から願う。
 5月から今月にかけて県内各地で行われている高校総体開催に当たり、県高体連の木村克則会長はホームページに「岩手県の高校生アスリートの皆さんへ」と宛て、メッセージを掲載している。
 その中で、「日本スポーツ協会はフェアプレー精神について、ルールはもちろん、『日常生活の中でも自分の考えや行動について、善いことか悪いことか自分の意志で決められること』と記している」と紹介。「コロナ禍の状況で健康状態の把握や周囲への影響、感染した家族や周囲の人への配慮について考え、行動することも、この大会の〝フェアプレー精神〟に含まれる」と説いている。
 今年で東日本大震災から10年。筆者が高校3年だったちょうど10年前の岩手大会は「岩手を一つに。この大会を岩手の未来につながる第一歩とする」との選手宣誓に始まり、沿岸各校のプレーには、球場全体からひときわ大きな拍手が送られた夏だった。コロナ禍にある今年も〝岩手を一つに〟するようなフェアプレーを期待したい。  (龍)