情報と備えの大切さ実感
令和8年7月14日付
今月5日、陸前高田市が小友町を対象区域として行った土砂災害避難等訓練を取材した。突発的な地震や津波とは違って、土砂災害は事前の情報収集などで生命や財産を守るための行動に幅を生むことができる。筆者は町民の1人でもあり、参加者としての観点も踏まえて臨み、備えの大切さを再確認した。
訓練は、「継続的な降雨で一部地域に地盤の緩みがみられる中で、大型台風の上陸に伴う猛烈な風雨が見込まれる」という想定で行われた。警戒レベル3の「高齢者等避難」、同4の「避難指示」が出され、小友地区コミュニティセンターや各地域の公民館など9カ所に住民らが避難した。
訓練の主会場で、市の指定避難所となっている地区コミュニティセンターへ向かう際、わが家からはどのようなルートをたどるべきか、ハザードマップと照らし合わせながら移動してみた。
避難後の訓練は避難所運営に移った。この中で、センター入り口に市職員やコミセン関係者を配置し、避難者が名簿に記入するという従来の受け付けと平行し、人工知能(AI)を活用した市独自の情報伝達システム「シン・オートコール」による避難者受け付けが試験的に行われた。
指定の電話番号にかけると、AIが自動音声で氏名や性別、年齢などを聞き取り、これに基づく名簿を作成していくというもの。この日の試みではエラーも相次いだ。筆者もかけてみたが「エラーです」の音声が流れるのみだった。
市によると、訓練全体の参加者は約200人。ピークで約130人が連絡し、AIが「処理落ち」したとみられ、本格運用に改善の余地を残した。
昨今の災害時に経験した人もいると思うが、避難者の把握にかかる作業量は多い。被災しながら避難所運営に携わるケースもあるだろう。「AI受付」は労苦を軽減できる画期的な仕組みであることは相違ない。試みを重ねて課題が克服されることに期待したい。(弘)






