演奏家・和泉氏の冥福祈る

 フュージョンバンド「T─SQUARE」(ティー・スクエア、以下スクエア)の元キーボーディスト・和泉宏隆氏が、4月26日に急性心不全のため死去したと公式サイトで伝えられた。62歳の若さで亡くなったことをとても残念に思うとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。
 フュージョンは、ジャズやロック、ラテンなどが融合した音楽ジャンルのこと。
 演歌や民謡、ポップスなど歌もの好きの人にはあまり縁がないバンドかもしれないが、楽器奏者で構成するスクエアは、昭和51年に発足(当時のバンド名は「THE SQUARE」)し、同年代の日本のフュージョン界に旋風を巻き起こした音楽バンドの一つ。ジャズやロックなどの愛好者の間では、震災後の大船渡市を訪れたこともある「CASIOPEA(カシオペア)」とともに有名だ。
 スクエアは代表曲の『TRUTH』など数々のヒット曲を世に送り出してきた。この中には、吹奏楽用にアレンジされたことでも有名な『OMENS OF LOVE』『宝島』など、和泉氏が手がけた楽曲も多数ある。
 スクエアの黄金期のメンバーとして知られる和泉氏は、平成10年の退団後も、ソロのほか、ギタリスト・鳥山雄司氏、ドラマー・神保彰氏とのトリオなどで演奏活動を続けていた。「いつまでも現役で頑張ってほしい」と思っていた中での、今回の悲報だった。
 「音を楽しむこと」を教えてくれたこれまでの出会いの中で、スクエア、そして和泉氏の存在は大きかった。友達から訃報を聞いたとき、自分でも驚くほどショックを受けてそのことを改めて実感した。
 数日後、ネット上で和泉氏の追悼ビデオが公開された。約2時間にわたる、ピアノソロライブの映像。途切れない多くのファンらのコメントを見て、再び目頭が熱くなった。(仁)