思いを次代につなぐ

 東日本大震災から10年の節目を迎えるにあたり、本紙では大船渡、陸前高田両市の災害公営住宅や防災集団移転地などにお住まいの方々を対象に、アンケートを実施した。「暮らし」「復興感」「震災の教訓」の3テーマにかかる質問を通じ、現状を把握するとともに将来課題を探るもので、結果については3月11日発行の本紙特集号に掲載を予定している。
 配布総数は両市合わせて2000を超える。社員で手分けして年明け早々に各世帯に配らせてもらった。行く先々では対面で趣旨を説明する機会も多かったが、突然の訪問にもかかわらず、多くの皆さんが温かく迎えてくださった。
 22日締め切りで郵送回答をお願いしたが、かなりの数をいただき、現在、スタッフ総出で集計作業を行っている。
 総括担当者として、締め切り以降に届いた回答も含めて、すべてに目を通している。質問項目は選択と記述合わせて30におよぶが、回答を寄せていただいた皆さんそれぞれが、一つひとつの問いに真摯(しんし)に臨んでいただいた様子が、用紙から伝わってくる。  いまのところ、困りごととしては、将来、自家用車を手放した際の交通不便、収入があることでの災害公営住宅の家賃増に関する記述が目立つ。復興感や復旧・復興事業への評価は十人十色の傾向だ。
 10年を迎える思いについては、震災直後を支えた国内外の人々への感謝の言葉が多く、癒えない悲しみもつづられている。誰にも言えない心情をはき出す場になったという声も寄せられた。
 震災に遭われた方々が、どのような心情でいるのか。いまだ一部行われている復旧・復興事業をどのように受け止めているのか。そして未曾有の被害から受け取った教訓は。被災地の地域紙として、皆さんの思いを次代につないでいく。次の災害も見据え、務めを果たしていきたい。(弘)