文化の価値見直しを

 新型コロナウイルスは、さまざまな文化的価値をも変化させている。音楽、芸術、地域行事、郷土芸能──。新型ウイルスの感染拡大を受けて、県内、気仙地区内でも各種イベントが中止となっている。一方で、オンラインを活用しての開催も増えてきており、催事のあり方は様変わりしている。
 エンターテインメント業界の市場調査などを行っている「ぴあ総研」では、昨年2月から今年1月の集客エンタメ市場規模は、令和元年の約1兆1400億円と比べマイナス75%の大幅減の約2800億円に落ち込むと推計。
 ジャンルでは、音楽、演劇、映画、スポーツ、その他のすべてのジャンルでいずれも大きく毀損しているが、特に消失割合が高いのは、音楽(前年比88%減)、スポーツ(同81%減)だ。
 近年は、多くの集客に価値を置く大規模イベントも増えてきていた。「○○日間で十数万人が来場」「数百人の大行列」など、経済的な価値に重点が置かれてきたが、感染拡大予防のための公演・試合の開催制限、自粛の長期化、公演開催時の人数制限、観客の外出自粛行動によるマイナス影響が、あらゆる文化活動に色濃く反映されている。
 国でも補正予算などで文化芸術活動への支援策を展開してきているが、欧米諸国と比べると金額でもスピード感でも見劣りは否めない。欧米では長い歴史の中で積み重ねられてきた文化芸術が普遍的価値として浸透しているが、日本ではどうしても生活の付加的なものとしての見方も多いからだろうか。
 文化の本質的な価値は説明することも難しいし、数値化もできないが、平時にだけ享受される〝ぜいたく品〟ではなく、日常にかかせないものだと思う。こんな時だからこそ、日本文化の大切さを見つめ直していきたい。(清)