令和5年02月06日付

 これを書いている時点ではまだ、陸前高田市長選の結果が出ていない。だから、どちらが市長になっていたとしても変わらずお願いしたいことを書く▼同市の取材担当だった時、選挙の話になるとよく、「陸前高田は〝政争のまち〟だもの」という言葉が市民から自嘲気味に語られた▼同市はあらゆる選挙のたび、市を二分する戦いを繰り広げてきた歴史がある▼震災後は早期復興という共通目標の下、従来の対立構造はやや希薄になっていた。だがそうした協調の市政に一石が投じられたのが前回の市長選▼文字通り有権者の審判は真っ二つに割れた。続く市議選でも市長選と同じ対立構造がくっきり表れた▼それはいい。協調だけではなしえないことがある。異論・反論あっての民主主義だ▼問題なのは、選挙における対立が分断として根深く残ることだ▼「あんだは○○派だべ」と色眼鏡をかけて深まる議論はない。白いものも黒くしか見えないのでは良い政策も実現しない▼市民が二つに割れたまま4年後までしこりが残るような戦いには、ここで終止符を打ってほしい。若い世代はもう気づいている。ノーサイドの精神なき進歩はありえないと▼市長はきのうの敵をきょうの友としてその声に耳を傾け、対立ではなく是々非々で市政を築いてもらいたい。政争のまち、なんて少しも褒め言葉ではないのだから。