「町民目線」の推進委始動、総合計画・人口ビジョン・総合戦略/住田町

▲ 総合計画・人口ビジョン・総合戦略の推進委が始動=住田町役場

 住田町の第1回総合計画・人口ビジョン・総合戦略推進委員会は29日夜、町役場で開かれた。有識者や町民代表らが委員となり、町民目線を大切にしながら意見を出し合い、総合計画などの策定につなげていく。

 町は国のまち・ひと・しごと創生法に基づき、本年度に「まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」と「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定する計画。町の総合計画も合わせて策定することとしており、これらを一つにして今後のまちづくりを進める考え。

 推進委はこれらの策定に際し、住民の意見を反映させようと設置。有識者や町民、産業、金融の代表ら16人を委嘱し、検討と推進を図る。

 この日は委員14人が出席。多田欣一町長は「これまで培ってきた経験や知識をこの場でぶつけ合って、新しい住田のまちづくりに支援をお願いしたい」とあいさつし、委員代表の大杉覚氏(首都大学東京大学院)に委嘱状を交付。委員長の互選では、委員長に大杉氏を、副委員長に神田謙一氏(住田フーズ)を選出した。

 協議では、町側が総合計画、人口ビジョン、総合戦略の役割などを説明。この中では、町内における人口推移を示した。

 それによると、人口は昭和30年の1万3121人をピークに減少。このまま進むと平成52年には3211人となり、生産年齢人口と老年人口の逆転が見込まれているとした。

 この状態では自治体としての存在が危機的状況にあることから、人口対策と所得向上対策という町勢振興の大命題に向けて施策を構築、推進する必要がある。このために総合計画、人口ビジョン、総合戦略を策定し、目標設定とともに管理もしながら進めていく。

 総合計画は、町の全計画の基本となる行政運営の総合的な指針で、「安心してずっと暮らすことのできる地域」の実現を基本構想に据える。期間は28年度から4年間を計画。人口ビジョンは、国の長期ビジョンを勘案しつつ人口の現状を分析し、今後目指すべき将来の方向と人口の将来展望を提示する。

 総合戦略は町の人口動向や産業実態などを踏まえ、27年度から5カ年の政策目標・施策を策定。自立性、将来性、地域性、直接性、結果重視の政策5原則に基づいて施策を展開する。この日は、その構成素案も示した。

 委員からは「現状を把握することが必要」「今の状況ではなかなか的確なアイデアが浮かびにくい」」といった意見が出された。

 来月実施予定の住民アンケートについても意見を交換。町からは町内の18~49歳全員、約1400人を対象に実施する案が示されたが、委員からは「上の年齢や中高生も対象にすべきでは」などの声が寄せられた。

 推進委は次回、6月26日(金)に開かれる。

 委員は次の通り。

 ▽委員長=大杉覚(首都大学東京大学院)▽副委員長=神田謙一(住田フーズ)▽委員=安部博(未来かなえ機構)奈良朋彦(邑サポート)千葉礼子、佐々木康行、佐藤元幸、遠藤正、及川敏和、佐藤晃子、水野孝洋、藤井洋治、紺野由美(町民代表)佐藤浩美(住田町社会福祉協議会)村上健也(村健塗装)荒川俊哉(岩手銀行世田米支店)