今年は港湾道が主会場、7月31日~ 8月1日に開催/三陸・大船渡 夏まつり

▲ JR大船渡駅周辺で開かれてきた「三陸・大船渡夏まつり」。かさ上げ工事の本格化を受け、今年は港湾道路を主会場とする計画(写真は昨年)=大船渡市

 三陸・大船渡夏まつり実行委員会(委員長・齊藤俊明市観光物産協会長)の平成27年度総会は1日、大船渡商工会議所で開かれ、今年のまつり開催日を7月31日(金)8月1日(土)の2日間と決めた。昨年まで主会場としていた大船渡町のJR大船渡駅周辺は、土地区画整理事業などによるかさ上げが進み、まつり開催に対応できるスペースがないことから、同町の野々田岸壁港湾道路で実施する方針。今後は避難ルートの確立など見物客の安全確保に向けた検討を重ねながら、気仙の夏の一大イベント成功を目指すこととしている。

 

 実行委が開催日決める  復興整備で会場確保苦慮

 

 大船渡湾内での海上七夕船団と花火の競演、市民参加の道中踊りなどの華やかさで、「海の祭典」として県内外から観光客を集めるイベントとして定着してきた同まつり。東日本大震災後は平成24年から再開し、支援への感謝と復旧・復興状況を広く発信する機会ともなっている。
 今年の開催日程などを決める同日の実行委総会には委員約40人が出席。26年度の事業報告と決算を承認、27年度事業計画と予算を原案通り可決した。
 震災前は大船渡駅前の目抜き通り、再開後は区画整理などのかさ上げ工事が本格化していない駅近くのスペースを主会場に行われてきた同まつり。
 30年度完了を目指す工事はピークにさしかかり、多くの人や車両の出入りは難しい状況にあることから、今年は駅周辺への主会場設定を断念。港湾道路を利用し、まつり本部や特設ステージはサン・アンドレス公園近くに設ける方向で関係機関との協議を進めていく。
 出席委員からは、現状で駅周辺から高台への主要な避難路にあげられる市道野々田明神前線へのアクセスのあり方など、災害や緊急事態発生時の対応に万全を期すため、情報共有や警備体制強化を求める声が聞かれた。
 初日の31日は海上七夕の湾内巡行と大船渡魚市場で大船渡ゆかりの歌手らによる船上歌謡ショー、メーンの1日は余興や市民道中踊り、「大船渡復興大の字焼き」、花火大会、大船渡青年会議所主催の復興グルメフェスティバルなどを予定。

 花火大会は今後市民に協賛を呼びかける「ウルトラスーパージャンボスターマイン」を含め、海上から8000発の打ち上げを計画する。
 齊藤委員長は「安全確保が第一。従来に比べて制約が多い厳しい環境での開催となるが、多くの方々に元気と希望を与えられるよう、皆さんの知恵と工夫をお借りしながら練っていきたい」と意欲。
 このほか、江戸幕府を開いた徳川家康の四百回忌にあたり、家康をまつる日光東照宮(栃木県)から「被災地の皆さんを勇気づけたい」と、今回のまつりに合わせた流鏑馬(やぶさめ)公演の申し出があったが、「対応できる会場がないことからお断りせざるを得なかった。東照宮からは延期していただけると伝えられている。来夏には復興整備も相当に進む見通しで、次回はぜひ招致したい」(齊藤委員長)としている。