交流と居場所の拠点に、中心型よりあいカフェ

▲ 中心型よりあいカフェ「しょうわばし」がオープンし、保育園児らが祝福に駆けつけた=住田町世田米

 住田町地域包括支援センターと町社会福祉協議会(佐々木松久会長)が住民の交流や居場所づくりを目的に設置した中心型よりあいカフェ「しょうわばし」は2日、世田米字世田米駅地内(旧中里水道屋)にオープンした。この日はオープニングセレモニーが行われ、町内各地から多くの住民らが来場。手作り菓子などを囲んで茶飲み話や歌のステージなどを楽しみ、交流を深め合った。カフェは今後、毎週火曜日に開設されることから、町民ら多くの利用を呼びかけている。

 

「しょうわばし」多くの住民でにぎわう/住田町

 

 よりあいカフェ事業は、町内に誰もが気兼ねなく寄り合えるカフェを設置し、認知症、障がい者、ひきこもり者、社協の輪っこちゃん事業(生活困窮者自立支援事業)利用者、高齢者らの居場所づくりを図るもの。利用者間やボランティアとの交流を通して生きがいを見いだし、介護予防と社会参加を推進する目的もある。

 カフェには町内の小地域単位で設ける「地域型」と、よりあいカフェのモデルとなる「中心型」があり、今回の中心型は同センターと社協、一般社団法人・邑サポート、地域ボランティアが協議しながら運営。町役場側から昭和橋を渡って突き当たりに位置する空き店舗を会場として借り受け、一般や高校生ら多くの協力を受けて準備を進めた。

 オープンを迎えたこの日は、町内各地から約70人が来場。住田高校や町食生活改善推進協議会のボランティア、町、社協のスタッフらも合わせると約120人が集まった。

 はじめに、町保健福祉課の伊藤豊彦課長が「介護予防に力を入れ、要介護状態にならないよう住み慣れた地域で安心した生活を送るためのよりあいカフェ。利用する皆さんでより素晴らしい場所にしてほしい」とあいさつ。佐々木会長も「お茶を飲みながら話をし、長生きをしてほしい」と述べ、多くの協力に深く感謝した。

 関係者らによるテープカットに続き、世田米保育園の年長児らが歌とエールを届け、来場者らを笑顔に。準備にも協力した木工職人の大村圭さんは、妻の恵世さんと民謡やオリジナル曲を演奏し、大いに盛り上げた。

 来場者らはあゆっこの会が用意したコーヒーや、食改のメンバーらが提供した手作り菓子などを囲んで歓談。明るい笑い声も響き、和やかなひとときを過ごしていた。

 住田高3年の紺野有那さんは「思っていた以上にお客さんが来てくれて盛り上がっていて、ボランティアに参加してよかったと思う。気軽に誰でも来られるところになれば」と期待。近所に住む女性(89)は「町内でもなかなか会う人がいないので、こういうところがあって昔話を語れるのはありがたい。一人暮らしの方にもいい場所なのでは」と話し、再訪を誓っていた。

 しょうわばしは今後、毎週火曜日の午前9時から午後4時まで開設。利用は無料。毎月第1火曜日はイベントデーとして、さまざまな企画を行う予定。認知症地域推進員が常駐し、カフェの運営と合わせて認知症や介護などの相談にも応じる。