来年6月総オープン目指す、マイヤなど4社が復興拠点に複合施設整備へ/大船渡
平成27年7月23日付 7面
大船渡市に本社を置く㈱マイヤ(米谷春夫社長)など4社は、市が同町のJR大船渡駅周辺で整備を進めている津波復興拠点事業区域(約10・4㌶)に、複合型の商業施設を整備する。マイヤによるスーパーをはじめ、ホームセンター、飲食、衣料、クリーニングなどの店が並ぶ計画で、今秋の着工と来年6月上旬のグランドオープンを目指して大規模小売店舗立地法の手続きなどを進めている。同事業区域は市の中心市街地再生の核と位置付けられており、同社では「広域からの集客へ役割を果たしたい」と意欲を見せている。
同市では東日本大震災津波で壊滅的被害を受けた中心市街地再生に向け、大船渡駅周辺の約33・8㌶でかさ上げなどを行う土地区画整理事業を展開。この中で、JR線より東(海)側に津波復興拠点事業区域として8街区を設け、商業機能集積を図っている。
マイヤでは、「商業エリアの核施設となる複合商業施設をつくり、地元および気仙地域の住民の生活を守る」とコンセプトを掲げ、ホームセンターを展開するDCMホーマック(札幌市)、大和リース(大阪市)、クリーニング業のシメアゲ(大船渡市)の3社とともに、マイヤ復興グループとして最大街区の予定借地人となった。
街区は現在のサンデー大船渡野々田店からJR線をはさんで海側に位置。整備を計画する複合施設の敷地面積は3万4419平方㍍。店舗はいずれも平屋の合わせて7棟(延べ床面積1万1061平方㍍)を配置し、駐車場は528台分を設ける予定。
マイヤは被災した本店に代わってJR線西側に設けた大船渡店を移設。延べ床面積は現在より約500平方㍍広い2874平方㍍とし、ベーカリーコーナーの新設や産直コーナー拡充などを計画している。
DCMホーマックのホームセンターは延べ床面積6270平方㍍となる見通し。このほか、クリーニング店と飲食店、衣料や眼鏡の専門店が並ぶ予定。
グループでは、今月8日付けで米谷社長を代表取締役とする大船渡再開発㈱を設立。今後、大規模小売店舗立地法に基づく届け出を行い、ホームセンター棟は10月着工と来年4月下旬のオープン、スーパーマーケット棟などは11月着工、来年6月上旬オープンを目指して工事を進めていくという。
区域内の街区ではこのほか、㈱サクラダ(櫻田直久社長)が大船渡プラザホテルの移転新築に着手。さいとう製菓㈱(齊藤俊明社長)は本店となるファクトリーショップの基本計画を練る。
仮設店舗で営業する商業者らでつくるグループは、今後設立されるまちづくり会社が整備する施設へのテナント入居、またはグループ補助金などを活用した独自整備という双方向で、街区形成を検討している。
新たな「大船渡の顔」の輪郭が徐々に見えてきた中、マイヤの金野栄一副社長は「商業集積地の核部分として広域からの集客の役割を果たし、地元商店街に回遊してもらう形を構築していきたい」と意欲を見せる。
市では同区域含む大船渡駅周辺地区のまちづくりについて、外観などに一定の統一性を持たせようというエリアマネジメントの考えを導入。同副社長は「複合施設の名称はこれに沿って考えたい」としている。