南三国事務所が一日限りの「遊園地」開設、開通前に多彩な催し/吉浜道路(別写真あり)
平成27年7月26日付 7面

三陸沿岸道路のうち、本年度内の供用開始を目指している大船渡市三陸町の「吉浜道路」(延長3・6㌔)に25日、一日限りの遊園地が開設された。現場見学会と合わせ、お化け屋敷、宝探し、人力車試乗会など多彩なイベントが繰り広げられ、多くの住民らが開通後は味わえない催しを満喫した。
お化け屋敷、宝探しなど
吉浜道路を整備する国交省東北地方整備局の南三陸国道事務所(佐藤和徳所長)が主催、施工者らでつくる吉浜道路工事連絡協議会と大船渡市が共催。住民らに完成間近の同道路の工事進ちょく状況や建設業への理解、興味を深めてもらおうと企画した。

人力車に試乗し、手を振る子どもたち=同
この日は朝から降雨に見舞われるあいにくの天候となったが、多くの家族連れらが会場に足を運んだ。
道路にチョークで落書きする大会や人力車の無料試乗会など子どもから大人まで楽しめる催しが盛りだくさん。延長1・6㌔もの吉浜トンネル内では暗さを生かし、お化け屋敷、アニメや工事の様子を撮影した上映会も行われ、特にお化け屋敷は子どもたちで人気を博し、歓声が響き渡った。
地元側も運営に協力し、婦人会による豚汁提供なども盛況。昼ごろからは雨も上がり、高架橋などの高所から眼下に広がるまちを眺めたり、記念写真を撮る姿も見られた。
地区行事で遊びに来たという地舘凪海(ななみ)さん(越喜来小6年)と熊谷李美さん(同)は「たくさん遊ぶところがあって楽しい。お化け屋敷は怖かったけど、2回挑戦しました」と笑顔を浮かべた。
三陸沿岸の早期復興を図る先導的なプロジェクトに位置づけられている三陸沿岸道路。南三陸国道事務所では一日も早い開通を目指し、ほかの復旧・復興工事と連動するなど地域一体となって事業に取り組んでいる。
このうち、吉浜道路は仮称・三陸インターチェンジ(IC)から同・吉浜IC間を結ぶ。同区間の並行現道の国道45号は急カーブ、急勾配が続く交通難所で、吉浜道路の開通によりほぼ直線ルートに抜本改良される。
同事務所は具体的な供用開始時期について現時点で公表していないが、安全性の大幅な向上などさまざまな効果がもたらされる「命の道」の早期開通に期待がかかる。