2015県知事選/平野氏が立候補を断念、無投票の可能性も

平野達男氏

平野達男氏

 平野達男参院議員(61)は7日に盛岡市内で会見し、任期満了に伴う知事選(20日告示、9月6日投開票)について「出馬を断念することを決意した」と発表した。県政よりも安全保障や与野党対決など中央の政局がクローズアップされてきたことが「本意と大きくかけ離れた」のが理由とした。知事選には現職の達増拓也氏(51)が3選を目指して立候補を表明しており、無投票の可能性が出てきた。
 会見では用意した声明文を朗読。「県の持てる力を存分に発揮するためには県政を変える必要があると痛感したから」と出馬表明の理由を説明。そのうえで、「徐々に国の安全保障の在り方が最重要課題へと浮上し、県政の在り方についてはなかなか論点になりづらい状況が生まれ、わたしの本意とは大きくかけ離れた」と、断念に至った経緯を語った。
 同氏は3月に県議会無所属会派いわて県民クラブ(小田島峰雄代表)の要請を受け、4月に出馬表明。自民、公明から支援を受け、民主や生活が支持する達増氏との一騎打ちが確実視されてきた。
 6日午後に最終的に出馬断念を判断したといい、「活動を支援していただいた皆さん、推薦いただいた団体・企業の皆さんに苦労、心配をかけたことに対し深く感謝し、心からおわび申し上げる」と陳謝した。 
 知事選出馬に際して参院議員は自動失職を検討していたが、「職責を全うしたい」とし、無所属で議員活動を継続する考えも示した。10月に予定された参院補選は白紙となりそうだ。
 報道陣との質疑では政府与党の自民、公明から支援を受ける段階で安保法制に伴う逆風を想定できなかったかを問われ、「わたしの甘いところ」と述べた。(盛岡タイムス)