町民の声まちづくりへ、アンケート結果まとまる/住田町

 住田町はこのほど、6月に実施した「総合計画・人口ビジョン・総合戦略」策定のためのアンケート結果を取りまとめ、公表した。アンケートは将来のまちづくりを担う15歳(高校生)から50歳未満の1598人を対象に実施し、このうち69・5%の1111人が回答。町の住みやすさや部門ごとの満足度、将来の重要度などを評価するとともに、政策への具体的な要望、提言も多数寄せられた。町はこの結果を総合計画の策定といったまちづくりに反映させながら、部門ごとにおける満足度の向上を図っていく。

 

1111人が回答

 

150809-1面・住田町アンケート 町は国の「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、平成27年度に「まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」と「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定する計画。合わせて28年度から4年間の町総合計画も策定し、これらを一つにしてまちづくりを進める。

 アンケートは、将来にわたって活力ある町を維持していくために町民一人ひとりがまちづくりへの意識を高め、町のあり方に意見を述べてもらおうと実施。今年4月1日現在で15歳以上50歳未満の町民1598人に対し、6月12日から24日まで展開した。

 質問内容は、▽回答者の状況(年齢、世帯構成、居住歴など)▽住田町の「いま」について(住みやすさ、今後も住み続けたいか)▽町のイメージ▽各部門の取り組み▽まちづくりについて▽その他──の6項目、90問余り。1111人(男性559人、女性539人、未記入13人)が回答し、その率は7割近くに上った。

 このうち、「町の住みやすさ」に関しては、「やや住みやすい」が最も多い48・6%で、「住みやすい」と合わせた割合は62・4%。「やや住みにくい」の割合を男女別にみると、男性が26%、女性は33%と7ポイントの開きがある。

 「これからも町に住み続けたいか」の問いには、「ずっと住み続けたい」と「どちらかといえば住み続けたい」の合計が55%と半数を超えた。「どちらかといえば町外に引っ越したい」は22・4%だったものの、男女別では男性が17%、女性が28%と女性の方が〝住みにくさ〟を感じているという結果が示された。

 「各部門の取り組み(現在の町の状況・取り組みをどのように感じているか)」=別表参照=では、▽まちの基盤▽環境▽福祉・医療▽重点的な取り組み──などの8分野50項目にわたり、満足度と将来への重要度を評価。

 この中では、「検診や予防接種などの健康支援」「教育環境の整備」「子育て環境」など17項目で満足度の高さがみられた。一方、「バスなどの公共交通サービス」「病院や診療所などの受診しやすさ」「雇用対策」などの6項目では不満を感じている回答が多かった。

 将来の重要度では75%以上を示したものが21項目あり、最も高かったのは「病院や診療所などの受診しやすさ」の89・4%。分野別では▽安全安心▽福祉・医療──の2分野で、多くの項目が8割以上を占めた。このほか、「道路や橋などの交通網の整備」「雇用対策」「子育て環境」「子育て世代の働きやすい環境」などで高い数字となった。

 自由記載欄にも、多くの要望、具体的な提言が寄せられた。「まちづくりについて」では、町の自然の豊かさや人と人とのつながりなどを高く評価。「行政への要望、提案」にも各世代から幅広い分野にわたる考えが示され、行政サービスの充実、町内全域の活性化策、町民ニーズを把握した施策展開を望む意見などもあった。

 アンケートは、町内の中学生にも実施。町は調査結果を今後の計画づくりに反映させながら、満足度の向上につなげたまちづくりに取り組んでいく。