あすサ ンマ解禁、鎌田水産の4隻が北洋での漁に向け出港/大船渡(動画、別写真あり)

▲ 多くの住民に見送られ出港するサンマ船=下蛸ノ浦漁港

 20日の大型船のサンマ漁解禁を前に、大船渡市赤崎町の鎌田水産⑭(鎌田仁社長)が所有するサンマ漁船4隻は18日、同社前の下蛸ノ浦漁港を出港した。北海道を経由し、漁は22日以降北洋で始まる予定。港には乗組員の家族や地域住民らが大勢集まり、豊漁と無事の帰還を祈って船出を見送った。

 

 豊漁と無事の帰還祈る

 

150819-6阿鎌田水産サンマ船出港②2d※入らなければ電子版サブで

ステージから乗組員にエールを送る大城さん㊨と鎌田会長=同

 爽やかな青空に恵まれたこの日、同社の関係者や乗組員らは同町の尾崎神社で神事を行ったあと、漁港に移動。漁港には、出発する乗組員76人を見届けようと、地域住民ら約400人が詰めかけた。
 出港直前には、三陸の復興支援を行っている歌手・大城バネサさんが、岸壁の特設ステージで歌声を披露。同社の鎌田和昭会長らと一緒に『兄弟船』などを歌い、乗組員たちにエールを送った。
 正午には、第21三笠丸、第18同、第15同、第8同(各199・)が順に出港。船に飾られた大漁旗やカラフルなテープが風でなびく中、住民らが「行ってらっしゃい」と乗組員らに声をかけ、大きく手を振った。
 漁船は19日、北海道根室市の花咲港に到着する予定。漁解禁の20日にロシア海域の漁場に向かい、22日ごろからの操業を見込んでいる。
 第8三笠丸の清枝光臣漁労長は「ロシアの海で漁を行うための検査が厳しくなっていることなど大変な面もあるが、なんとか多くの量を捕ってきたい。会社、地域のために頑張ってくる」と意気込みを語った。
 鎌田会長は「漁も大事だが、まずは事故を起こさず健康で帰ってきてほしい」と願った上で、「大きな漁ができるか不安な部分はあるが、水揚げする大船渡魚市場が本州でナンバーワンの実績となれば地域も活気づくと思う」と期待をかけた。
 乗組員の息子を見送った末崎町の熊谷浅子さん(55)は「無事に家に帰ってくることを祈っている。大船渡での水揚げが始まり、サンマを買ったら焼いてしょうゆや大根下ろしで食べたい」と話していた。
 大船渡港での水揚げは今月下旬を見込んでいる。