田村氏が県議会議長に、早期復興へ決意新た

 

田村誠氏

田村誠氏

 気仙からは3人目

 

 県議会の臨時会は17日に開かれた。任期満了に伴う改選後初めての招集で正副議長選出が行われ、議長に大船渡選挙区選出の田村誠氏(67)=民主党5期・赤崎町=が就任。東日本大震災津波からの早期復興や人口減少への対応など、直面する課題解決へ決意を新たにした。気仙選出の県議が議長に就任するのは明治44年の泉田健吉氏(気仙・世田米)、平成15年の藤原良信氏(大船渡)以来3人目。

 今回の改選後、県議会の会派は勢力順に改革岩手16人、自民ク13人、いわて県民クラブ6人、創成いわて5人、共産党3人、社民党2人、公明党1人となり、無所属は2人。

 知事派は改革岩手に共産、社民を加えた21人。非知事派の自民、県民ク、公明は計20人。気仙選出議員では、民主党県連代表代行も務める田村氏が改革岩手、陸前高田選挙区の佐々木茂光氏(57)=自民党2期・気仙町=は自民クに参加。

 改革岩手は当選回数5回の田村氏を議長候補として推した。知事派、非知事派ともに過半数に満たず、正副議長選出をめぐっては中立を掲げる創成いわてと無所属2人の動きが注目されていた。

 こうして迎えた同日の臨時会には全48議員が出席。議席指定などのあと議長選挙が行われた。投票は単記無記名で行われ、田村氏24票、工藤勝子氏(自民ク、遠野選挙区)22票、木村幸弘氏(社民党、花巻選挙区)2票となり、田村氏の議長就任が決まった。

 副議長選挙も同じく単記無記名投票で、工藤大輔氏(創成いわて、九戸選挙区)が25票、飯沢匡氏(いわて県民ク、一関選挙区)が22票、自民クの工藤勝氏が1票となり、工藤大氏が当選。知事派が主導権争いを制した形となった。

 当選告知を受けて議長席に座った田村氏は、「責任の重大さを痛感する。公正かつ円滑な議会運営を旨とし、本県の最大課題である東日本大震災津波からの復興を一日も早く成し遂げるための取り組みをさらに加速させるとともに、国をあげて進められる地方創生や、来年に迫った希望郷いわて国体など諸課題に議会を通じ真摯(しんし)に取り組み、県民の信頼と期待に応えられるよう、誠心誠意努力していく決意」と語った。

 【田村誠氏の略歴】昭和23年8月24日生まれ、大船渡市赤崎町出身。大船渡一中、東北電力学園卒。東北電力勤務、大船渡市議5期などを経て、平成11年県議初当選し連続5選。大船渡市赤崎町字宮野10の2。67歳。