彼岸の中日に先祖供養、気仙各地で墓参りピーク

▲ 午前中からたくさんの人が訪れ、墓前で手を合わせた=丸森墓園

 秋晴れの下、故人しのぶ

 

 先祖への感謝を伝え、亡くなった人をしのぶ日とされる彼岸。今年の秋彼岸は20日から26日(土)までの7日間となる。このうち、彼岸の中日(秋分の日)の23日は、気仙各地で住民らの墓参りがピークを迎えた。秋晴れの下、人々は墓前で手を合わせて先祖を供養し、安らかな冥福を祈った。

 大船渡市大船渡町字鷹頭の市営丸森墓園には、朝早くから多くの家族連れが墓参りの道具を片手に訪れた。盛岡地方気象台によると、この日の大船渡の最高気温は23・6度(平年比1・3度高め)で9月中旬並み。暖かな日差しのせいか半袖姿の人も見られ、人々は汗を流しながら先祖代々の墓を清めた。

 北上市に住む松田浩二さん(43)と幸恵さん(37)夫婦は、長女の恭奈(ゆきな)ちゃん(9カ月)と一緒に丸森墓園に足を運んだ。浩二さんは大船渡町の出身。「なかなか帰る機会がなくて。彼岸なので、連休に合わせて帰省しました」と話し、幸恵さんと協力して墓の周囲を丁寧に清掃した。

 清掃終了後、線香をあげるなどした松田さん夫婦は、墓前に向けて静かに合掌。恭奈ちゃんが生まれてから帰省するのは初めてとのことで、幸恵さんは「家族が増えたことを報告しました」と笑顔を見せた。

 「ほとんどきれいに掃除してあるけれど、ポツポツと草が生えている所がある。震災があって手入れをする人がいなくなってしまったのでしょうか」と幸恵さん。「市や町など大きな枠組みで手入れをし、きれいにした方が供養になるのでは」と真剣な表情を浮かべていた。