地域に寄り添い対応を、開設から2年半の法テラス気仙出張所/大船渡

▲ 開設から2年半を迎えた法テラス気仙出張所=盛町

 震災被災者の生活再建などに関する無料相談に当たっている大船渡市盛町の日本司法支援センター(法テラス)気仙出張所は、24日で開設から2年半を迎えた。相談実績は年間900件以上にのぼり、職員らは「今後も地域や被災者に寄り添い対応していきたい」と力を込める。
 法テラスは国が設置する総合法律支援の中核を担う施設。東京都に本部事務所、全国の地方裁判所本庁所在地や司法過疎地などに地方事務所が置かれており、コールセンターを設置して電話相談の情報提供も行う。契約弁護士らにより平成18年10月から業務を開始した。
 気仙出張所は臨時の出張所として一昨年3月、大船渡簡易裁判所裏に開所。震災時、被災3県に居住、勤務していた人は特例法により無料で利用することができる。現在、弁護士は水曜日を除く平日の週4日、司法書士が毎週水曜日に事務所に駐在して相談に当たり、県との連携事業で巡回相談にも取り組んでいる。
 同出張所によると、相談実績は25年度は986件、26年度は915件。それぞれ震災関連の相談が全体の半数を占めた。
 本年度は8月末現在で前年同期と同じ381件。分類別でみると、相続や離婚といった「家族」が142件と最多で、次いで、住宅再建に関する「住まい・不動産」77件、多重債務や金銭の貸し借りなどの「生活上の取引」61件などとなっている。
 震災に絡んだ保険金や行政への補助金申請などの相談は本年度に入って大幅に減少。一方、行政に関する相談件数は前年同期より10件増の42件で、主に土地区画整理事業の仮換地先にかかわる悩みや税金の相談が多いという。
 同出張所は現時点で、29年度末までの設置が決まっている。同出張所の鈴木淳二主幹は「弁護士や司法書士、税理士などの協力のもと毎日対応できる。さまざまなお悩みを抱える方々に気軽に利用してもらいたい」と呼びかける。
 平日午前9時から午後5時まで開設。相談は予約優先。問い合わせ、申し込みは同出張所(℡050・3383・1402)へ。

 

 夜間相談を月2回に/10月から

 

 日本司法支援センター(法テラス)気仙出張所は10月から、夜間相談日を月2回に増やす。
 夜間相談日はこれまで月1回としてたが、利用者の希望にこたえようと相談日を増やした。10月からは毎月第1、第3木曜日の午後6時から同8時まで開設する。相談は予約優先。