天神山公園に遊具寄贈、米国出身者らのプロジェクトが遊び場確保を支援/大船渡

▲ アメリカ出身者らの支援プロジェクトで寄贈された遊具が設置される天神山公園=大船渡市盛町

 大船渡市盛町の天神山公園に子ども向け遊具の設置が決まった。東日本大震災被災地に遊び場をと、首都圏在住のアメリカ出身者が展開するプロジェクトの一環として、市に贈られたもの。来週にも据え付け作業が行われ、供用開始は11日(日)の予定。同日は地元の盛青年商工会(新沼智和会長)などの協力で「完成披露パーティー」が企画されており、にぎやかにスタートを告げることとしている。

 

 11日から使用可能 

 

 被災地などに遊具を贈る取り組みは、東京都内でタレントマネジメント会社を経営するマイケル・アナップさんが中心となり、震災のおよそ1年後から始めたプロジェクト「プレイグラウンド・オブ・ホープ」(PoH)の一環。
 アメリカのメーカーの協力で遊具を従来より安価で仕入れ、その費用はスポンサー企業や個人からの寄付を充てる。設置作業はPoHとスポンサー、地元住民が行うとして、これまで県内では釜石市や大槌、山田両町でも設置されてきたという。

〝使い初め〟となる11日のイベント参加を呼びかける関係者=大船渡市役所

〝使い初め〟となる11日のイベント参加を呼びかける関係者=大船渡市役所

 大船渡市への贈呈のスポンサーとなったのは、東京都内山手線の全駅を歩いて回るというチャリティーイベント「東京ヤマソン」の参加費全額を寄付金として受け入れたNPO法人・Nadia(ナディア)。盛町を拠点に震災直後のボランティア活動を展開したオールハンズボランティアの一員として同団体と現地の橋渡し役を担い、現在は陸前高田市特別顧問も務めるミラー・アミアさんが仲介した。
 遊具は縦横10㍍、高さ4㍍ほど。レッドウッド材とポリ塩化ビニル合成樹脂製で、すべり台やうんていなどの機能を合わせ持つ。約450万円相当という。
 市では公園北側のスペースに設置することとしており、作業は8日(木)から10日(土)まで行い、11日には使用開始となる予定。これに合わせた「完成披露パーティー」は、午前11時30分から午後2時までで、ホットドックやハンバーガー、焼きそばなどを無料で振る舞い、子どもには風船もプレゼントすることとしている。
 パーティーの運営は盛青年商工会や、同商工会と交流を深めている市の派遣職員有志らが担当。同商工会の迎山光幹事長は「アミアさんにはアメリカと東京、気仙をつなぐ活動を積極的に行っていただいており、感謝にたえない。天神山は盛町にとってシンボリックな場所。これを機に広い地域から子どもたちに足を運んでもらい、一層活気づけば」と語る。
 駐車スペースが少ないため、乗り合わせや公共交通での来場を呼びかけている。