工事請負など2議案可決、住民交流拠点施設/住田町議会臨時会

▲ 住民交流拠点施設としての保存活用改修工事が行われ、来年4月下旬のプレオープンを目指す旧菅野家=住田町世田米

 住田町議会(定数12)の臨時会は26日、開かれた。世田米の住民交流拠点施設について、保存活用改修工事の請負契約締結と指定管理者の指定に関する2議案を原案通り可決した。改修工事は世田米駅地内にある旧菅野家の母屋と土蔵1棟、外構の一部などで行うもので、工期は平成28年5月31日まで。工期途中の同年4月下旬には、母屋と土蔵1棟のプレオープンを目指す。

 臨時会には全議員が出席。この日は世田米字世田米駅地内に整備する住民交流拠点施設に関し、保存活用改修工事の請負契約締結、施設の管理と運営を担う指定管理者の指定を審議した。

 町は21年度から地域資源の魅力を生かしたまちづくりに向けた検討を進め、23年度に「町中心地域活性化構想」を、26年度には基本計画を策定。住民交流拠点施設は、地域住民に住み続ける誇りやこだわりを再認識してもらうとともに、中心地域の歴史的な魅力を再発見し、育み、発信し、未来に継承するための拠点と位置づけている。

 施設となる旧菅野家は、明治時代に建設された旧館と昭和32年に増改築された新館からなり、母屋、家蔵2棟、2棟を合わせた蔵1棟、厩、前庭、中央庭で構成。町は24年度、住民交流拠点施設として整備すべく、建物と土地を4100万円余りで取得した。

 整備概要によると、敷地面積は2406・63平方㍍(延床面積は833・09平方㍍)で、延面積は木造2階建ての母屋が447・10平方㍍、土蔵が4棟合計で385・99平方㍍。

 屋内施設(母屋)にはコミュニティカフェ、交流スペース、地消地産レストラン、おもてなしスペース、体験宿泊スペースなどを整備。土蔵はギャラリースペース、歴史的資料展示、史資料保管、トイレとして活用する。駐車場やイベント広場なども設ける。

 工事は、歴史的価値を持つ建物の構造などを保存しながら改修するもの。今月15日に指名競争による入札を行い、請負者は㈱長谷川建設・住田住宅産業㈱特定共同企業体に決定した。契約金額は1億4796万円。

 工期は27日から来年5月末日までで、本年度は母屋と蔵1棟、外構の一部を修理、改修する。同年4月下旬に屋内施設とギャラリースペースをオープンさせ、29年春に全体供用の開始を予定する。

 施設全般の管理、運営に当たる指定管理者は今年8月、町内の団体を対象に募集。書類やプレゼンテーションにより、同月22日に一般社団法人SUMICAが選定された。指定期間は来年4月1日から3年間となるものの、工事段階から運営、施設活用などの検討に参加し、準備を進めていく。