買い物不自由者支える、GEN・Jが代行事業「カメリア・カー」/大船渡(別写真あり)
平成27年10月30日付 7面

一般社団法人GEN・J(ジェンダー・イコーリティー・ネットワーク・ジャパン、田端八重子代表理事)は、買い物代行事業「カメリア・カー 大船渡」を大船渡市内全域で展開している。この事業は、健康状態や交通機関などの関係で、自由に買い物をすることができない人々を支えようと立ち上げたもの。購入した品を利用者に届ける際には、健康状態や心配事などについても併せて確認しており、地域の見守り役としても活躍している。
健康状態などの見守りも
買い物代行と見守り活動は、復興庁の「新しい東北」先導モデル事業として実施。起業による地域の経済活動への貢献、地域で暮らしていくための環境づくりを最終目標としている。
もともとは、GEN・Jの前身であるNPO法人「参画プランニング・いわて」が、平成24年8月から同27年3月末まで気仙両市を含む県内5市町村で取り組んでいたもの。事業終了後も継続を希望する声が多く寄せられたことから、同法人で副理事長と事務局を務めていた田端八重子氏を代表理事としてGEN・Jを設立し、大船渡市の協力を得て今年7月から再スタートした。
現在は赤崎町に事務所を構え、平日の午前8時30分から午後5時30分まで、スタッフ4人体制で活動。代行依頼は午前8時30分から正午まで専用電話で受け付けており、2台の専用車両(カメリア・カー)で品物の購入・配達を行っている。多い日には、1日に10件の依頼があるという。
利用費は、品物の購入代金と手数料500円。清算は配達時に行われ、購入した品物を利用者と一緒に確認する。同時に、利用者の体の調子や心配事について尋ねるなど、見守り活動も展開している。
「参画プランニング・いわて」の時代から買い物代行を利用しているという三陸町越喜来の80代女性は、「買い物に行くのが大変なので、代行はとても便利だし、助かっている。これからますます重要になると思う」と語る。
GEN・J事務局の田川幹子さん(52)は、「わたしたちスタッフと話すことで、少しでも気分転換になれば。品物を届けるとき、利用者の方が笑顔で迎えてくれることが一番の楽しみ」と笑顔。「体調が悪い人や車を持たない人はもちろん、子育てや介護、看病などで少しの時間でも家を離れられない人など、不自由を抱える人はたくさんいる。そういった人々の力になることができれば」と熱意を込め活動している。
問い合わせや代行依頼はカメリア・カー(℡080・5561・9729)へ。対象商品は主に日用品や食料品、雑貨などで、大型商品については相談に応じる。