高田地区の高台に新たな空間、津波復興拠点整備事業で/陸前高田
平成27年10月31日付 1面
陸前高田市が進める津波復興拠点整備事業高田北地区(東区)駐車場工事により、体育館機能などが備わる総合交流センター予定地南側に、約1㌶の広大な舗装地が生まれた。一方、すでに市コミュニティホールの稼働が始まった市庁舎近くの西区では、芝生などが広がり防災機能も備わる約6500平方㍍の公園を整備。東区舗装地は31日開幕の産業まつり会場となり、さらに北側造成地は、来夏には国体・デモンストレーション競技のビーチバレー会場となる方向で検討が進む。高台に生まれた新空間の積極活用が期待される。
舗装地1㌶、多彩な活用へ…東区
栃ヶ沢公園(仮称)防災機能も…西区
総合交流センターは、高田町内にあった市民体育館やB&Gプールなどの機能を確保。バレーボールコート3面を確保できる多目的ホールや、同じく2面をとれるアリーナ、柔剣道場、25㍍6コースの温水プールなどを計画。利用開始予定は平成29年度としている。
建設予定地は高田町太田地内の高台で、敷地面積は約4万6000平方㍍。予定地南側にはキャピタルホテル1000があり、南西側の県立高田高校新校舎では生徒たちが学校生活を送る。
浸水被害を免れた高台で5月まで造成工事が進められ、7月からは舗装工事に入った。事業費は約1億円。ホテルに近い南側の海抜約30㍍の地に、約1㌶の舗装地が広がる。
高台でこれほどの空間は市内には少なく、センター完成までの間も多方面での活用に対応。31、11月1の両日に開催される産業まつりの会場となるほか、造成地北側では来年8月28日(日)には国民体育大会・希望郷いわて国体のデモンストレーションスポーツとして、ビーチバレーを行う方向で調整。現地に砂などを運び、特設会場を設ける。
現市庁舎の向かい側に位置する西区ではすでに、コンビニエンスストアやBRT陸前高田駅、市消防防災センター、市コミュニティホールが完成。現在は301戸分の災害公営住宅や、大船渡警察署高田幹部交番の建設が進む。
新たに生まれた栃ヶ沢公園(仮称)は、ホールや災害公営住宅などに囲まれた位置にある。公園の面積は約6500平方㍍で、整備事業費は約1億8000万円。今年3月から整備が進められた。
円形で、なだらかな斜面となっている中央部には芝を整備。災害公営住宅、コミュニティホールをはじめ各施設から訪れやすい動線を確保し、多くの人々が憩える環境を目指した。サクラやコブシ、ベニヤマボウシなどの植栽も施した。
同ホールは災害時、避難施設になる。公園内に整備された公衆トイレには、くみ取り式の非常用トイレ6基を整備できるスペースも。間仕切りを設ければ水や電気が止まっていても利用できるほか、穴を掘るといった設営時の労力も必要としない。震災の教訓を生かした機能も備えている。
トイレ施設は、来月から供用開始となる見込み。芝生や散策路などはすでに利用できる。